泉星耶 in GIFT2024
会期:2024年9月5日(木)~9月8日(日)
会場:Gallery IYN
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泉星耶 経歴
・専門学校アートカレッジ神戸 アニメーション学科 卒業
・2023年5月 【LOVE展】出展(Gallexy IYN)
・2023年6月 【ドローイング展Vol.5】 出展(Gallery IYN)
・2023年11月 【Boy’s Generation 2023 vol.2】 出展(AAA Gallery)
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学生から、社会人へ。
少女から大人の女性、そして 子を持つ母へ・・・
ライフステージの変化に伴い、自ずと生活環境、習慣も移り変わるものであるが、どんな状況においても泉星耶の胸中に「絵を描くことをやめる」という選択肢は存在しなかった。
プロの世界には手が届かなかったが、趣味として二次創作を続け、コミックマーケットに積極的に参加し絵を人に見てもらうことで、創作への思いは増々膨らんだという。
子供が保育園に通い出す迄は、どうしても制作の時間がとれず結果的に絵を中断してしまったが、幼少期から絵を描き続けてきた歳月に比べれば、数年のブランクはほんの一瞬のようなもの。
再び制作に向き合い始めた際、腕の鈍りは全くなく、スラスラと手が動いたそうだ。
制作再開を機に泉は、専門学校卒業後に独学で始めたデジタルイラストに本腰を入れるようになる。
デジタル画を始めた最初の切っ掛けは、周囲にデジタル技法を取り入れるクリエイターが増えて来たことだった。
興味を持ったものは何でも実践したくなる気質で、どんなに多忙であっても、新しい挑戦に二の足を踏むことはない。
そんなバイタリティ溢れる泉は現在、仕事、家事、育児もこなしつつ、平日の夜は必ず2時間、制作に費やせる自分だけの時間を確保している。
休日は子供のことを最優先にし、隙間時間ができれば、それがほんの僅かなひとときであっても、活用できるよう心掛けているそうだ。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
泉:小さいころから絵を描くのは好きだったので、ノートなどに落書きをしていました。
高校生の時に、自分でアニメを作れた楽しいだろうなと思いアニメーターを目指し、専門学校へ通いました。
しかし、実力が足りずにアニメーターの夢は諦めることになり、その後は、独学でイラストの勉強をずっと続けました。
それから20年以上ずっと絵を描き続けています。
泉が一時創作をする際に好んでモチーフに選ぶのは、自分の理想を託したアイドル的な青年像。
幼い頃から、少女や女性より男性の方が描きやすかったそうだ。
自身が感じているように、作品を見た人から「かっこいいね」「イケメンだね」と声をかけてもらえた時の嬉しさは一入であるという。
二次創作においてはキャラクターのイメージを守らなくてはならないので、完全に思うがままに描く訳にはいかないが、そうした制約もまた勉強になると彼女は考えている。
勉強という点でいえば、子供に求められて描くキャラクターイラストも然り。
特に子供が小学校に上がってからは、母が絵を得意としていることを級友に話すようになったらしく、友達からのリクエストを学校から持ち帰るようになった。
様々なキャラクターに挑戦することは良い刺激になり、子らの求めに応じて喜んでもらうことが自身の活力に繋がる。
出産後のブランクから絵を再開した時も、その背中を押してくれたのは我が子のリクエストであったそう。
デジタルイラストを描き始めてから、しばらくは自身の創作の原点となっているアニメの作画を意識し、塗り方もいわゆる“アニメ塗り”を用いていたが、最近は輪郭線を明確にせず、色を何層も塗り重ねていく“厚塗り”手法を多用している。
実はそれ迄、輪郭線だけで描画対象の凡その形を確定させる描き方に苦手意識があったのだが、“アニメ”という過去の殻を破ったことで、泉はようやく自分と相性の良い表現技法を見つけることができたのだった。
様々な表現が可能なデジタル手法だが、泉が何よりも魅力を感じているのは、その発色の美しさ。
絵具などの物質を介さず、“光”そのものを画面に閉じ込めたような高彩度の色調に魅了され、今後も彼女はデジタルで創作を続けたいと考えている。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
泉:"私の絵柄を好きになってくれる人がいるなら、私の絵をみて少しでも嬉しい気持ちになってくれたらいいなと思っています。
そういう絵を届けたいと思います。"
これまで「描くことをやめよう」とは考えたことのない泉だが、同人活動を始めた当初は全く販売に繋がらず、発表活動は幾度かやめようかと思ったことがあるという。
しかし、気が付けば今日まで継続することが出来ていた。
確固たる意志で歩み続けてきたという訳でもないが、同僚から「絵も描いて、イベントにも出展するなんて凄い」と その行動力を褒めらることもあり、あまり自覚はなかったが「わりと精力的に活動に取り組んで来たと言えるのかも」と最近は感じているそうだ。
20年以上絵を描き続け、彼女の創作に対する姿勢はこの先何十年も変わることはないだろう。
制作にあたって、一番大切にしていることは何かと訪ねると「楽しんで描くこと。描く事を苦痛にしないことです」と答えてくれた。
長く続けていれば、もちろんスランプも経験する。
けれど、そこで無理をして自分を追い詰めてはいけない。
時の流れに身を任せながら、モチベーションが上がるのを待つことが寛容だ彼女は語る。
意外や、インフルエンザや新型コロナウイルスなど病に倒れた後の方が、厄が落ちたように上手く描けるようになるのだとか。
彼女に敢えて、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
泉:生活に追われることが多い現代人には、もう少し余裕になれる時間があればいいなと思います。
ほんの少しの時間でも自分が幸せになれる瞬間、のんびりと読書できる時間、趣味に没頭できる時間がもっと増えても良いのではないかと思います。
(取材/執筆:大石)
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