- yuko Oishi
- 8月13日
- 読了時間: 6分
更新日:9月10日
小牧さる冴 in ART INPUT 2025
会期:2025年9月11日(木)~9月14日(日)
会場:Gallery IYN
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私たちの目には見えないけれど、何処かに存在する人ならざる不思議な生き物たち。
そんな彼等の日常や、その肖像を小牧さる冴が描き続けているのは、人間社会においても、集団からはみ出した生き方に寛容であってほしいという思いから。
また、己の価値観とは全く別の世界、自分の知らない世界も存在するものなのだと知ってほしいという願いから。
描く世界観は空想ではあるけれど、その空気感を描き出すにあたって、小牧は自身がよく見る夢の世界を参考にしている。
夢の中の情景は、彼女の目にはセピア色などモノトーンの景色として認識されるそう。
なので、それをペンとインクで表現することは理に適っていると言えるだろうが、それは飽く迄も視覚的な認識の話。
夢の中の出来事に心が動いた瞬間の感情の色、漂う香りから嗅覚が捉えた色調や、聴こえてくる音色の中にある様々な彩り・・・
そうした色彩も何とか作品の中に組み込みたいと、最近はクレヨンスクラッチ技法にも挑戦しているそうだ。
見えた色のみを再現したペン画作品と、見えない色までも再現したスクラッチ作品。どちらかだけでは目指す表現には到達できない。どうにか融合させて、少しでも夢の景色に近づけたらと、まだまだ摸索の途中であるそうだ。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
小牧さる冴:「ブルーモーメント」です。
色々と悩んだのですが、作品を見た方からこの作品をプリントしたTシャツが欲しいとお声がけ頂いたことから、自分が好きなものと他の人が欲しいと思うものがちょうど重なった作品という意味ではこれかな、と思いました。

生活が多忙を極めたり、何か思い悩むことや落ち込むことがあったりすると、ペンは素直にその状況を紙の上に物語ってしまう。
仕事とは別に自己表現としてのイラスト作品も描きたいと心は逸れども、いざ取り掛かってみれば、コンディションの良い時には容易に引けた線が、どうしても思い通りにならない。
その事が小牧の頭を長らく悩ませていたのだが、悩みに悩んで一周巡り、最近は「不調の時にしか描けない作品もあるのでは」と考えられるようになったそう。
目の前の作品は、今の自分に出来る精一杯の結果であり、今の自分でなければ生み出し得なかったものなのだ。
描き出された作品を在るが儘に受け容れて、彼女は「ART INPUT」展および12月に開催される個展に向けて準備を進めている。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
1年ほど週1回絵の基礎について学ぶ機会があり、その際クレヨンスクラッチを中心にやろうとしていたのですが、先生に「線の種類を増やした方が良いのでまずはペン画をやってみてはどうか」と言われたことがきっかけでペンで描くことを始めました。結果、比較的どこでも描けるなということでペン画に落ち着きました。
また、影響を受けた作品やアーティストについて、好き≒影響を受けたと考えると該当する作品・人物はかなり多いと思います。書ききれないので、その中のほんの一部をまとめて以下に記載致します。好きの一覧と思って頂けたら幸いです。
▼影響を受けた作品・アーティスト
絵・映像:ルネ・マグリット/ティム・バートン作品/ワカマツカオリ/寺田克也
漫画:蟲師/アライブ〜最終進化的少年〜/ONE PIECE/古舘春一作品/オノ・ナツメ作品 他
物語:不思議の国のアリス/グリム童話 他
音楽:FACT/アルカラ/Special Others/Rega/東京事変 他パフォーマンス等:シルク・ド・ソレイユ/能・狂言 他庭:重森三玲

慣れ親しんだ手法であるからこそ、ペンを用いれば自分の狙い通りの表現をしやすい為、創作の軸は依然としてペン画表現であるが、スクラッチ技法で狙い通りにならずに予想外の効果が得られることも面白いと小牧は語る。
試行錯誤中であるため、どうしても披露できる作品は少なくなるだろうが、「ART INPUT」展では数点スクラッチ作品も並べる予定であるそうだ。
スクラッチアートにおいては、明るい色のクレヨンの層の上に均一に乗せた黒色の層を削っていくことが一般的だが、暗色の層にもグラデーションが生まれるようにすることが、夢の中の色調に近づくための工夫でもあるという。
そんな拘りのポイントも、是非会場で直にお楽しみ頂きたい。
また、会期までに仕上がれば、12月の個展で展示予定の作品もいち早くお披露目できればと考えているとのこと。
取材の最後に、小牧に次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
小牧さる冴:苦しい状況を根本から解決するにはどうしたら良いか?という目線で問題と向き合ってきました。そう言う目線で考えると解決策はほぼ自分が変容することと直結するので、時間がかかることもあったり心の痛みを伴う場合もあったりします。根本から解決するには自分でどうにもならない時もありますが、自分の場合「空や自然が綺麗だな」と思えるかどうかを基準に、自分自身で乗り越えるか助けを求めるかの判断をしてます。
自分でどうにかするにあたっては、いっぱい寝て美味しいもの食べること、気ままにペンを走らせること、散歩をすることなどでメンタルを整えてから「自分がこの後どうしていきたいか?」と問う時間を設けてました。
(取材/執筆:大石)
小牧さる冴の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUT2025を、どうかお見逃しなく!
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Instagram:@sarusa_komaki
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《 小牧さる冴 プロフィール 》
ペンやクレヨンで、人ではない生き物の日常を描いています。
自身が見た明晰夢から受けたインスピレーションを元に、挿絵のような物語の一幕が浮かぶような作品を描きたいと思っています。