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更新日:5月11日


松芭 in ART INPUT 2025


会期:2025年6月5日(木)~6月8日(日)

会場:Gallery IYN


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歩く人物
「 遅春の歩幅で 」


時にデジタル手法で、時には水彩や油彩、水彩色鉛筆、色鉛筆、ボールペン等のアナログ技法を用い、松芭が自らの頭の中に築いた独創的な世界の断片を日々描き続けている。

それは、人間と魔族が共存する世界において、魔物たちの生息する森林の保護に努める人々の日常風景であり、主要人物の一人は故郷の村を失い、敵の討伐のために各地を旅してきた旅剣士であるという。

松芭は彼等を描くことを通して、心の中に渦巻く感情、疑問と対峙し、己と対話をするようにして、慎重に筆を運んでいるのだそう。


基本的には一人で過ごす事を好んでいる松芭だが、ふとした折に孤独や寂しさを感じることもあり、「作中人物たちには、どんな時も共に行動していてほしい」と考えるに至り、キャラクターをなるべく連れ添わせて描くようにしている点にも拘りがある。


また、主な舞台として設定している森林にも深い思い入れがあるようだ。

森林を構成する樹木たちの魅力は、人間の血管のように伸びた根っこや幹、枝葉に至るまで強い生命力を感じさせ、雄大でありながらも同時に静けさも併せ持つ点であるという。

木漏れ日の暖かさが心を落ち着かせてくれるところも好きで、人々を包み込むような、または見守るような雰囲気を作品の中で表現できればと考えているとのこと。




Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。

また、何故その作品をお選びになりましたか。


松芭:私自身が代表作だと思う作品は、「yUragi?◀︎⤵︎⁂」という作品です。

この作品は、人物の内面に隠した揺らいだ感情を描きました。タイトルは遠くからぼんやりと見たときに、記号に見えるような不可解なイメージを持たせております。また、片目を隠しているのは、自分でもまだ両目で直視出来ないほどの複雑な感情であることと、隠しているけれども本当はそれを誰かに気付いて欲しいと思っている気持ちを表しています。


この作品を描いた時期は、私自身が新たな生活に向けて酷く不安や恐怖を抱えていた頃でもあったため、複雑な感情があるけれどもそれを笑顔の下で隠している創作キャラクターの姿と通じるものがあり、印象に残っている作品です。


人物イラスト
「 yUragi?◀︎⤵︎⁂ 」

制作にあたっては、自身の納得のいく仕上がりになるまで粘り強く作品と向き合い続けることが松芭のモットーだ。

これまで、嘗て描いた作品を見返した時に、「破棄してしまいたい」「データを消し去ってしまいたい」と感じてしまうことが多々あった為、そうした後悔をせずに済むように、納得できないものはなるべく発表しないと決めているらしい。

悔いが残らぬよう妥協は許さず、その時の自身の全力を出し切るまでは諦めない・・・

その創作スタンスからは、松芭の意思の強さが感じられる。


現在は療養中であるため、作業を進めるのは体調が良い日だけに限られるが、その時間は食事や家事などと同じく、習慣のようになりつつあるそうで、健康を取り戻し、職場に復帰してからも、今と変わらぬ熱量を維持して創作に取り組めたらと考えているとのこと。

自らが設定した到達点を目指して懸命にひた走るその情熱こそが、心身を回復させるためのエネルギーにもなっているのかもしれない。




Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。


松芭:私は幼稚園の頃から外で遊ぶよりもイラストを描くことが好きで、小学5年生の頃から油彩画を習い始めたのをきっかけにどんどん美術の世界にのめり込むようになりました。

印象に残っているエピソードとしては、中学生の頃に描いた「薬物乱用防止ポスター」のイラストで賞をいただき、それが校内で貼り出されたときに同級生のひとりが「なんか(この絵)怖い」と言っていたのが少し嬉しかったのを覚えています。

このことから、言葉ではなかなか伝わりにくいことでも、絵なら思いや感情が届けられる、伝えられる力があるのだと後々気付くことに繋がったのだと考えています。

影響を受けたのは、印象派や黒田清輝、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒという画家の作品です。何とも言葉に出来ないような感情がじんわりと伝わってくる作品の数々が今でも大好きです。


二人の人物
「 始まりのしるべ 」

デジタル作品を描くに際においても、厚塗り手法や重ね塗りを好んでいるのは、長年に渡り取り組んで来た油絵の影響が大きい。

しかし、油絵の基礎を学んでいた頃は静物画を描くことが殆どで、本当は普段から描いている人物イラストの油彩表現も試みてみたかったのだが、技術不足であったことと、自らの内にある世界観を表に出す勇気がなかったことから踏み切れなかったのだそう。

しかし、現在はアナログの風合いを持ったブラシを用いたデジタル描写によって、本来やりたかった表現に少し近づけているようだと、松芭は語る。


以前から様々な画材に興味があり、油彩画の他に、家では色鉛筆や水彩でイラストを描いたり、大学ではサークルで日本画にも取り組んだ。

それらの経験の一つ一つが表現の幅が広がりにも繋がっており、これまでの歩みの全てが松芭の強みとなっていると言える。


今後の目標の一つは、イラスト本を作成し、それを携えてイベント参加を果たすこと。

それから、「人と暮らす生物たちの姿ももっともっと描いていきたい」とも話してくれた。


取材の最後に、松芭に次のような質問を投げかけてみた。




Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。


松芭:今でも度々苦しい状況に陥っており、その度に私は描くことを辞められないから生きているのだと強く痛感します。

中でも印象深いこととしては、自分が描きたいのはイラストなのか、絵画なのか、自分はどこに属したらいいのかとても長いこと悩んでいた時期があります。

イラストや油彩画、デッサンも、自分の中では全て美術という延長線上に存在していたため分けることが出来なかったからです。

完全に乗り越えたとは言えないかもしれませんが、美術大学を卒業後デジタルで描いているうちに、絵画的な要素とイラストの要素が混ざり合ったような絵の雰囲気が自分らしい絵なのではないかと薄々感じられるようになりました。


(取材/執筆:大石)

松芭の作品を心ゆくまで堪能できる4日間

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