- yuko Oishi
- 8月14日
- 読了時間: 6分
更新日:9月17日
中谷真理子 in ART INPUT 2025
会期:2025年9月18日(木)~9月21日(日)
会場:Gallery IYN
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芸術大学でデザイン科を専攻し、立体表現を学んでいた頃から、中谷真理子が強く関心を持っていたのは、自らの作品を設置することで何かしらの思想を鑑賞者に語り掛ける空間演出。
大学を卒業してからも、内装デザインを手掛けたり、作品展示の際にはギャラリー全体を活用して、絵画や彫刻の枠を超えたインスタレーションに取り組んできた。
そんな彼女にとって、“街”は特別な意味合いを持つ。
それは、人々が生活をすることで、意図せず作り上げた巨大な合同空間アート。
常々、自らが存在するその場所が、どのような世相を表しているのかと意識してきた。
母として、我が子に連れ添い公園に足しげく通うようになってからは、公園内における子供社会の在り様から、少子化や養育・教育環境、ジェンダーなど社会問題に目を向けるようになった。
そうした問題を提議すると共に、如何なる環境下でも成長を続ける子供たちにエールを送る気持ちで、彼女は子供にまつわる様々な素材を用いたアートを生み出し続けている。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
中谷真理子:私の作品は、表現したい内容に応じて素材や技法が変わるため、代表作として一つに絞るのは難しい。ただ、教科書のくま という作品は、「造形の要素」「素材とテーマの関係性」など、私の制作スタイルがよく表れている作品といえると思う。

子供にとっては、学業は億劫で退屈なものに感じられるかもしれない。
しかし、少しずつ積み上げられた知識が山となり、人は多くのものを創造できるようになり、社会も豊かに出来るだけでなく、自らの心を満たす事も出来る。
そうしたことを伝えたくて、中谷は教科書の頁を用いた立体シリーズに着手した。
その一つが、「教科書のくま」だ。
子供たちは、未だよく解らないままに歩かされているだけかもしれない。
けれど実は未来を切り開き、幸福になるための道を進んでいると信じ、その旅路を見守る気持ちで、中谷は作品を縫い上げた。
そう、実は紙片のパーツとパーツは糸で縫い付けられている。
子供たちの通園、通学に必要な小物制作や、服のほころびを繕ったりと、その腕白ざかりの彼等を支える母親のシンボルとして、彼女は針と糸を創作に取り入れたのだ。
教科書だけでなく、実際に学校で使用されたテストやプリントを利用し、また描画素材として黒板塗料や赤ペンなどを使った「紙類」作品の他、「布類」の造形作品は古着の子供服やオムツ、制服などに綿を詰めて作られている。
子の成長と共に役目を終えた様々なアイテムたちは、自らをアート作品として中谷が生まれ変わらせてくれる順番が巡ってくるのを、じっと待ち侘びているようだ。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
中谷真理子:アート活動を始めたのは1992年。2009年からの長い活動休止期間を経て2015年から制作を再開する。
再開してからのテーマは、現代の日本で子供を産み育てる過程に起きる様々な出来事や、とりまく環境についてである。子供を産み育てる過程での自身の経験が作品制作の核となっている。

創作活動は、子育てとの二足の草鞋で容易に成し得るものではない。
しかし活動の休止期間中も、中谷の胸の中には日々向き合うべきテーマが蓄積され、実際に制作に着手は出来ずとも、構想をしっかり温め続けていた。
ひょっとすると、次は親の世話で創作から離れることになるかもしれない。
例えそうなったとしても、やはり彼女はいずれかの折に自身の体験を作品に昇華するだろう。
そして社会全体も見据えた上で、世に訴えるべきテーマを更に深く掘り下げていくに違いない。
どんな状況下でも、彼女は表現者として生きている。
取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
中谷真理子:苦しい状況に陥った時は、明けない夜はない、トンネルには必ず出口がある、というイメージを持つようにしている。またそういう時ほど、創作物に昇華させようと思考してきた。その思考を働かせることにより、自分の気持ちが整理されたり客観視できたり癒されたりする。
(取材/執筆:大石)
中谷真理子の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUT2025を、どうかお見逃しなく!
中谷真理子のSNSも、是非ご覧ください。
Instagram:@marikona.katani
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《 中谷真理子 profile 》
神奈川県 出身
1992 東京藝術大学美術学部 デザイン科卒業
2009~活動休止
2015~活動再開
【主な近年の展示】
2022.11 個展 #1つしかない答えなんかない ART TRACE GALLERY 東京都
2022.1 Introductionー作家がつくるギャラリー ART TRACE GALLERY/東京都
2021.11 絵画を考える展 ー紙を想うー 工房親-KoboCHIKA-/東京都
DELIRIUM Vol.3 渋谷ヒカリエ/東京都
.6 The 2nd International Micro Textile Art Exhibition "Scythia"2021
/ Ivano-Frankivs'k, Ukraine
2020.11 個展「みんなの孤育て広場」-Let’s release the isolated childcare site- ART TRACE GALLERY/東京都
.1 take me to your home グループ展 ART TRACE GALLERY/東京都
2019.11「方法と進行」 グループ展 ART TRACE GALLERY/東京都
.9 No Image 2019 Exhibition出品 CICA美術館/京畿道、韓国
2018.7 MONSTER Exhibition 2018 渋谷ヒカリエ/東京都
2017.4 美術公募団体 アートイマジン芸術小品展 優秀賞 入賞者グループ展/東京都
2016.5 美術公募団体 第2回アートイマジン芸術祭2016 選抜展/東京都
2016.9 第51回神奈川県美術展 入選/神奈川県
2015.6 大野城まどかぴあアートビエンナーレ2015 入選/福岡県




































