吉田嘉名 in 個性について考える2025
会期:2025年2月27日(木)~3月2日(日)
会場:Gallery IYN
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級友たちは思春期の訪れと共に目覚めていく“オンナ”としての感情に素直に行動しているのに、自分にはそれが許されていない・・・
少女期の吉田嘉名にとって、絵は、自由を渇望しながらも、親の言いつけは守らなくてはという葛藤、ジレンマを直球的に吐き出すことのできる唯一の場所だった。
その後は自らを解放するように、青春を謳歌する若者たちの仲間に加わった。10代後半のその時期に描い作品たちは“いよいよ、妄想の先と現実を体現”していたと、吉田は当時を振り返る。
現在は「ひとりの男を囲って、一番になりたいが、なれないオンナたち」というテーマで制作に取り組んでおり、それは自らの中に在るものだけでなく、周囲の女性たちを見て感じ取った“女の性”についての見解から生まれたコンセプトだ。
女たちは、自分が愛されるに足る人間だということを証明しようと配偶者選びに必死になり、誰よりも抜きんでて幸せな女であると周知されなければ気が済まない、そんな悲しい生き物らしい。
求めることばかりに一生懸命で、大切なものを見失ってしまう、疎かにしてしまう業の深い生き物らしい・・・
赤裸々に描き出された“オンナ”の姿に共感してくれる鑑賞者も多く、中には「作品を見ていて、女性の恐ろしさを知りました」という男性からの声も。
吉田の描き出す“オンナ”たちは、あまりにも生々しいが、それでいてどこかドライな印象も受ける。
「女とはこうしたもの」 ただその姿をそのままに、美化するでもなく誤魔化すでもなく曝け出されていることが清々しくさえあり、それが多くの人の目と心を釘付けにする最大の魅力であるかもしれない。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
吉田嘉名:色と作品の物語性。
感情によって「ピンク」の振れ幅がかわる。そして慟哭する様が色によって淘汰され、見た人が考察しても辿り着けなくなる。
普段は理性で封じ込めている感情を、画面の中で爆発させるかのようにして生まれ強烈な色彩と共に、平面的でありながら肉感のある、どこか日本画を連想させる人物表現も吉田の画風の特徴だ。
しかし、彼女は高校から大学にかけて専攻していたのは油絵であり、学部においては陰影技法を駆使した立体的な描写表現が理想とされていた。
だが、目に見えるものを写実的に捉えることに、どれほどの意義があるのだろうか。果たして必要性があるのだろうか・・・
そう感じる様になって、平面的な描画に踏み切った方が、コンセプトに吞み込まれることなく、より冷静に、客観的に向き合えるようになった。
また、どろどろとした感情を、同じくどろどろとした油絵の具で描くと気が滅入ってしまい、筆の運びも重くなる一方だったが、乾燥の早いアクリル絵の具を用いることで、次々に湧き上がる感情をサクサクと消費することが出来るようになったという。
そうして描かれた作風を見て、日本画との類似性を指摘する人も多く、そこから関心が高まって、吉田は独自に浮世絵の表現技法からも多くのことを学び取った。
人物表現そのものも興味深いが、浮世絵ならではの大胆な構図もとても参考になったそうで、江戸の人々の感性・美意識は、彼女の更なる飛躍に力を貸してくれたそう。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
吉田嘉名:ただただ子どもの頃から好きだったエロいことを描いてきた。特に黒い感情を沈ませるために、そして理性を保つためにエロティックな作品を描く、このアートは自分のためだけのもの。
私は美しくエロスを求め愛情を分け与える人生のまま終わらせたい。エロスに生きる人の終活として死装束、骨壷アート、棺桶、遺影をプロデュースする、人のための葬儀プランナーを実現させたい。
四十代に入ってから、吉田は段々と自分がこれから迎える“死”について思いを馳せるようになり、自分はどんな風にして一生という舞台の幕を下ろしたいか、その理想について考えるようになったそう。
死は全ての人に訪れるものであり、人の数だけ、それぞれに願う“最期の形”がある筈だ。
クライアントの希望に寄り添いながら、自身のエッセンスも少し加えて、特別で、とっておきのフィナーレを演出できたら・・・それが、彼女の目指すフューネラルビジネスである。
その他にも、取り組んでみたいこと、挑戦したいことはあるかと尋ねてみたところ、「作品をアパレルの世界へも進出させたい」と吉田は話してくれた。
これまでに、スカーフやスマートフォンカバーなどのグッズ販売を行ったことはあるが、作品と購入者の距離を更に縮め、“身に纏うことの出来る”という点に重きをおいてみたいとの事だった。
取材の最後に、彼女にこんな質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
吉田嘉名:キリスト教系の戒律の厳しい教育を受けていたその反動が単純可視化したもの。その道を外れた後も愛情を持って私を受け入れて育ててくれた両親には愛と感謝しかない。
(取材/執筆:大石)
吉田嘉名の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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