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更新日:3 日前


燈影 in 個性について考える 2025


会期:2025年10月2日(木)~10月5日(日)

会場:Gallery IYN


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抽象絵画
「B.C.(未完作品)」



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それは、燈影が僅かまだ4歳の頃のこと。

精神的なストレスから喋ることが出来なくなっていた彼に、物を作る楽しさを教えてくれた人が在った。

父の趣味仲間の一人だった彼女は、物言わぬ燈影の遊び相手になってくれ、共に絵を描いたり、おもちゃのブロックを組み立てたりして過ごしてくれたそう。

本格的に美術というものに興味を持ったのはもっと後になってからだが、幼年時代の思い出が彼の創作活動の原点であるといえる。

「幼児的なものの極限に、私の反芸術があるのです」と、彼は語る。

近頃はクレヨンやポスターカラーなど、子供にとって馴染のある画材を多用しており、嘗て満たされなかった幼児性を取り戻さんとしているそうだ。


昨年までは和モダンな趣の作品を描いていたが、今年からは元来志向していた抽象的な表現へと舵を切り、“内容を定義することが困難な構成でありながら、その中心には寂たる沈黙がある”作品たちを「個性について考える」展で披露する予定であるとのこと。

言葉の不自由から始まった創作は、言葉では語り尽くせぬ描き手の思想を表すと共に、作品たちは鑑賞されることによって、第三者から新たな意味を発見されることを待ち望んでいる。




Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。


燈影:あまり私が個性的であろうと思ってはいません。そのようなことを意識しなくても、おのずから発見されるものが個性というものだと思います。しつこく個性を主張しすぎることは、かえって、マイナス・イメージになることさえあります。

ただ、私は、いまの時代じたいに孤独を感じるときがあるのです。そういった、個性過多の風潮に背を向けるような要素が、つよい個性であるように見えるのだろうと思います。おそらく、エリオットが述べたような、個性の滅却が、かえって目立つこともあるでしょう。


抽象絵画
「ふたりの音符形のひとと、ひとりの休符形のひと」

燈影の作品において、重要な役割をになっているのが“渦巻”という形状だ。

渦を出発点に描画対象の輪郭線を描き始めることで、描かれたものは渦によって内部から破壊されるような危うい状態に立たされる。

渦巻とは迷いの象徴であり、どんな事物も決して確固たる存在ではないのだという燈影の考えが反映されているのだ。

現代社会を生きる人間たちは、自らや、自らの生きる世界を過信しているのかもしれない。

本来は儚く虚ろであって然るべきものに対して、絶対的な答えを要求することが癖になってしまってるようだ。

「証拠がなければ信じられない」「目に見えないものは信じない」

それは現代人の傲りではないだろうか。

そして、燈影はこうも語る。

己の中にある渦を自覚し、 不確で不完全な 愚者であることが容認されること、つまりは本来の人間らしさを許される時空は、今となっては芸術世界より他にないのである、と。




Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。


燈影:『ニヒリズムとスピリチュアリズム』という二元論を、抽象ふうの、あるいは古代ふうの絵にしています。無意味の世界で、意味を創造することは、芸術の本質であると同時に、精神と身体の一致という観点から見ても、その二元論なしには、われわれの生きる根拠が成立しないようなことです。古代の祖先たちは、その方法を無意識で理解していました。

そういった話題は、思想としてあらわすことも大切だと思っており、インターネットに文章を投稿しています。将来的には、書籍として出版することも念頭に入れて書いています。

また、本年から合同展の企画をしています。学生の作家でも参加しやすいハロウィン展覧会として《Hellboiled合同展》を開催するなど、若手に展示の機会をあたえる活動をすることは重要だと思うのです。


人と影の絵
「 影中心主義」

《Hellboiled合同展》は、形骸化されて単なる仮装大会と化してしまったハロウィンを、収穫祭であり、先祖の霊を迎える伝統行事であった頃に思いを馳せてもらえるような展覧会を催せたらという思いからスタートした。

しかし同時に、気楽な気持ちで自由にハロウィンを表現してもらえたらとも考えているそうで、燈影は自身の経験から、若い人々に積極的にアートで自分を曝け出してみてほしいと考えている。

彼は、己の内なる世界観を他者から理解されない遣る瀬なさを幾度となく経験したことから、創作だけに限らず、何事に於いても熱意を長く持続させることが難しいと感じているそうだ。

しかし、それを克服する為にはより多くの人に作品を見て貰う必要があり、そうして場数を踏んで来たからこそ、近頃は他者に受け容れられるか否かという雑念を取り払い、創作に集中することが出来るようになってきたのだとか。


取材の最後に、彼に次のような質問を投げかけてみた。




Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。


燈影:あまり知性的とはいえない人々のあいだで、悩みが多い少年期をすごしました。プロレス趣味とラップ・スタイルの不良たちがいるような中学校にかよっていました。同級生のうちには、アルコール中毒のせいで学校にこなくなった方もいました。

家が安心できるかといえば、けっしてそうでもなく、私の家では、幼児性というものが満たされないような生活を押し付けられました。

ただ、そのような話をしても、わかってもらえたためしがないため、より詳しく述べるのはやめておきます。

しかし、そこでは、芸術家や哲学者が真剣に探求しているような『誠実』などという空虚なものは、なんの意味ももたないのです。そういう環境は、実際にあるのです。大阪の方々は、どう思われるかわかりませんけれども。

ただ、私は「彼らのような人々さえも納得させるような作品を描くべきだ」とも思っています。


(取材/執筆:大石)

燈影の作品を心ゆくまで堪能できる4日間

個性について考える を、どうかお見逃しなく!


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《 燈影 プロフィール 》

人間中心主義から影中心主義へ。

Lord,I swear the moon turned a fire red.


2021年から、ZEN展などで絵画作品を展示。

この時期は、和モダンふうの抽象画をつくろうとこころみていました。

2022年12月《BIRTH》書籍(Mayumi Nihei and Boom Promotions編)で作品を紹介していただきました。

2024年5月.個展《ブラックホールの中》を開催しました。この時期から『幼児的なものの極限』という主題で、愚者の絵画を描くことを志向するようになりました。

2025年10月には《Hellboiled合同展》を企画して、開催する予定です。

 
 
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