- yuko Oishi
- 9月21日
- 読了時間: 6分
更新日:10月1日
二條緋彩 in 個性について考える 2025
会期:2025年10月2日(木)~10月5日(日)
会場:Gallery IYN
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二條緋彩が本格的に絵を描き始めたのは高校に上がってからで、その頃は専ら二次創作だったが、その頃から光の表現に重点を置いていたという。
また画中人物は泣き顔であったり、悔しさをその目に滲ませていたり、虚無な表情を浮かべていたり・・・
当時から既に、現在の作風の変遷が見え隠れしていたようだ。
磨きをかけた描画力と、大学でより深く学んだデジタル表現手法で地盤を固め、彼女はキャラクターの表情、光の演出や色彩効果などを通して、“寂しさ”や“儚さ”、そして“エモさ”を追及し続けている。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
二條緋彩:個人的には、『寂しさや孤独感』と『解釈余地が多めの雰囲気』が自分の特徴かなと思っています。
『寂しさや孤独感』は、ほとんどの絵のテーマにうっすらと入れています。数年前身内の不幸があってから、立ち直ってポジティブな性格や思考をする一方でポジティブな絵は描きづらくなりました。いっそのことそれを使ってやろうとおもい、自分の絵柄に合うと思った寂しさと孤独を私の武器に選びました。元々コントラストを重視する透明感のある絵柄なので、明度差や彩度差で自分の思ういろんな形の寂しさや孤独を表現しています。別テーマと重ねている時もあるので気づかれないときもあると思いますが、確かにそんな雰囲気あるかも?とでも気づいてもらえたら幸いです。
『解釈余地が多めの雰囲気』は、絵の勉強をしているときに「色ごとに持つ感情的な面での意味」と「感情面へ訴えかける絵作り」というものが自分に刺さり、それから意識しています。描く上で目指すテーマは持ちつつあえて二面性のある描写を入れてみたりして、「私の中の解釈はこうだけど君は?」のように狙っていることが多いです。
見ていただいている方からは、空気感とキャラクターイラストの目や中性的な絵柄についてよくコメントをいただいています。自分の好きなものやこだわっているところを的確に見ていただけていてありがたい限りです。

一口に“虚無”と言っても、その心境に至る過程は様々だ。
何か大切なものを失った悲しみの果ての虚無かもしれないし、感情の欠如によって生ずる虚無かもしれない。
報われなさに絶望して、心が憔悴しきった状態も考えられるだろう。
二條の描き出す虚ろな表情を浮かべるキャラクターの背後には、それぞれのドラマがある。
そうしたドラマを連想させるモチーフとして、彼女はしばしば花を活用しており、花言葉も然りながら、花々の色調にも思いを託し、画面を作り上げている。
花を用いない場合は、人物の髪のなびき方や手の仕草で感情を演出することが多いそう。
手に籠る力の加減が心理状態を物語ることもあり、或いは髪で口元を隠すなどして、読み取り難い本心を探りたくなるような仕掛けにすることも。
想像力を刺激する余地を残すバランスも、彼女ならではの感性であると言えるだろう。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
二條緋彩:今までは何でも描けるイラストレーターを目指しておりました。結局何でも描ければ絵がうまくなると思っているからです。しかし最近は自我の割合を増やして自分の描きたいものを優先しつつ『私の思う良い絵を描く』を目指しています。
私の思う良い絵は、作風での自分の個性についてのご質問でも触れた通り『感情』へアプローチする絵だと思っています。普段描く絵でも感情に訴えかける構図や色のパワーを意識していて、自分で描いていても自分以外の絵を見ていてもよく感情面に絵から影響を受けています。この体験を見てくれている人も巻き込めると面白いなと思うので、まずは絵に自我を入れて自分を絵に巻き込む。その上で見てくれる人の目・頭・感情も巻き込み、「二條緋彩の絵おもろいやん」と思わせたいと常に思っています。具体的な夢や目標はありませんが、挑戦欲が強いので自分のしたいことは全部すると思うし、おもろいやんと思わせるためには日々描く絵を大切にする方が重要なのかなと思います。

最近の作品の中に登場する人物の殆どは、より詳細な背景設定を考え、二條が脳内に住まわせているキャラクター達。
自然と愛着も湧いてくるそうだ。
描画の際は、まるで天上から彼等を見守るような心持であるらしい。
虚無を抱えながらも何かしらの形で救いがあるように、ささやかな幸せに辿りつけられるようにという二條の祈りが、彼等を包み込んでいるようである。
付き合いの長いキャラクターだけでなく、名もないキャラクターも含めた全員に、なるべく後悔の少ない豊かな人生を歩んでほしい・・・
そう彼女は願っている。
「個性について考える」展では、喜怒哀楽それぞれをテーマに作品を展開する予定だそうで、それらの作品で鑑賞者が僅かでも心を動かしてくれたなら嬉しいと二條は語る。
キャラクター達の生きる世界、彼等の胸中、彼等がおかれている状況を想像しながら、「絵って面白い」と感じて貰えるような作品に仕上げることが目標であるという。
取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
二條緋彩:故郷はとても田舎で大体のことは何でもさせてくれる家でもあったので、かなり自由に経験を積めて充実した未成年でした。成人した今でも子供みたいな好奇心を持っていて何かを始めるときに緊張はあれど怖いと思うことはほとんどないので、この挑戦することのハードルの低さと自由奔放さは大人になった今でも持っていて良かったなと思っています。
一方で故郷に住んでいた時は、田舎特有の近すぎる他人との距離感が合わなくて、他人の目が気になりすぎて自分や感情をため込みがちでした。離れて暮らしている今も他人の目を気にしすぎるのは変わりありませんがそれを描くエネルギーに発散できているので、結果的にこの経験も悪くないのかなと思っています。また、幼少期には当たり前すぎて何とも思っていなかった故郷の自由さや自然環境の方が珍しいのだと知り、マルチに経験を積める環境で育てて良かったとは思います。
(取材/執筆:大石)
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《 二條緋彩 プロフィール 》
イラストレーター。
コントラストの強いはっきりとした絵が得意。




















