《こかまきり 経歴》
・京都府の田舎出身。自然や生き物に囲まれて育つ。
・物心ついた時から絵と自然が好きで、どちらの夢を追いかけようか悩んでいた。
・2020年9月 森林に関する仕事に就職後、主にSNSで創作活動を開始
・2023年6月 MESSAGE展vol.4 受賞
・2023年8月 近畿『子ども水辺の交流会』in大阪 テーマイラスト提供
輪郭線のない、絵本のような「主線なしイラスト」
目を引き付けて離さない、ダイナミックな構図。
こかまきり の描く、自然と人と生き物が織りなす世界からは、
彼女の自然に対する深い愛情が色濃く感じられる。
京都府京田辺市の豊かな自然に囲まれて育った こかまきり は、
自然との触れ合いと、絵を描くことの楽しさを幼少期から体験してきた。
子どもの頃から通っていた絵画教室や高校時代の部活では、生き物を写実的に描いていた。
今でも彼女のイラストには、いつでも自然と生き物が描かれている。
魚を網で捕まえようと追いかけたり、やさしい木漏れ日を浴びたり。 実体験をもとに描かれているものも少なくない。
ずっと森林や川で遊んできた彼女が目にした、綺麗だったもの、楽しかったこと。
自然に囲まれ、身近に生き物がいた記憶がそのまま作品に息づいている。
高校時代、進路を決めるにあたって こかまきり には二つの選択肢があった。
直接、自然に携わる仕事に就くか。
もしくは、サイエンスイラストレーターとして図鑑や教科書のイラストを手掛けるか。
前者を選んだ彼女が「こかまきり」として創作活動し始めるのは、3年前。
自身のイラスト技術を仕事で使いたいと思い、周囲に絵が描けることをアピールしていた こかまきり に、森の魅力を伝える部署から「絵本を描いてみないか」と提案される。
そこから、絵本に合うデフォルメが効いたキャラクターイラストを、デジタル画で挑戦。
次第にSNSでアップするようになった。
当初は今まで描いていた写実画と、デフォルメ調のイラストとのギャップに戸惑ったが、
それらのバランスを思考錯誤し、現在の作風に至った。
こかまきり のイラストは、主線がない特徴を上手く活かした「やわらかさ」が魅力だ。
空気感を出せるように描かれた光は、キャラクターたちを優しく包み、引き立てる。
特に、骨や廃墟、廃車などの “終わってしまった” 無機物的な怖さは、ほどよく中和され、違和感なく絵柄に合っている。
また、鑑賞者の目を奪う躍動感のある構図は、その視線を画面の奥へ奥へと引き付ける。 その巧みな誘導から、彼女がいかに技術研鑽を重ねたのかが察せられる。
「レベル上げ」に貪欲な姿は、ゲーム好きという側面の表れかもしれない。
高校生の頃から「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」のグラフィックに感動してやり込み、今でも「ゼルダの伝説」シリーズと「Undertale」がお気に入りだという。
特にちょうど3年前にプレイした「Undertale」は、絵本を描く上での絵柄の指針にもなり、思い出深いようだ。
新たな表現方法の探求にも熱心で、最近は動画や3DCGにも挑戦しており、それが良い気分転換にもなっているという。
「川って楽しい!」「木漏れ日って綺麗……!」
自然や生き物と触れ合い、感じた面白さや、胸のときめきを、
こかまきり はイラストを通して鑑賞者に共有してくれている。
彼女は、世界の美しさを知っている。
「物語性・世界観が感じられるイラスト」を目指す こかまきり は、10月の『AUTUMN SALE』で、いったいどんな一場面を私たちに見せてくれるだろうか。
こかまきり の目を通した世界を、今後とも長く見続けたいと思う。
(執筆者: 守屋 / 監修:大石)
会期:2023年10月13日(金)~10月22日(日)
営業時間11:00~18:00
会場:Gallery IYN
大阪市北区中崎西1-8-24 アインズビル梅田101
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