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そんざいがげいじゅつ馨子 in ART INPUT 2024


会期:2024年11月21日(木)~12月1日(日)

※11月25(月)26(火)27(水)は中休みです。

会場:Gallery IYN


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空間アート
「 光の入り口 」



そんざいがげいじゅつ馨子が、表現活動の世界に足を踏み入れたのは2020年。

それまでは、アートとの縁はどちらかと言えば薄かったが、親戚の家が機織りなど民藝を生業としていたことから、物作りには子供の頃から馴染みがあった。

だが、美術・芸術という点では、絵よりもむしろ学校の授業で習った創作ダンスを好んでいたそうだ。


そんな彼女に何故だか或る日、飲食店を営む知人が店内の壁面に絵を描いてくれないかと話を持ち掛けた。

それまでにも店内の黒板にメニューのイラストを描いたことはあったが、絵を趣味としている訳でもない自分に、どうして店主が装飾を依頼したのかは「正直なところ、謎です」と そんざいがげいじゅつ馨子は語る。


奇縁、または運命であったと言えるだろうか。




Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。

また、何故その作品をお選びになりましたか。


そんざいがげいじゅつ馨子:「ファインビュー室山 壁画」です。私が移住した長野県安曇野市の地域で愛されている温泉に描いた壁画です。

移住した先で知り合った人から人へ紹介いただき、この壁画の制作が出来、完成した時には近所のおじいちゃん・おばあちゃん、子供たちと完成お披露目会をやりました。


「温泉に入り終わった後、お休み処で壁画をぼーっと眺める時間が幸せ。

いい作品をありがとう」と地域の人に愛される作品となっています。


地域に愛されている場所で私の作品も愛されている、そんな象徴的な作品は私がその地域にいること自体を受け入れてくれているようです。


壁画作品
「 ファインビュー室山 壁画 」

アーティストとして活動していこうと強く決心をした訳でも、自らを積極的に売り込んだ訳でもない。

だが不思議なことに、「壁画が描けるなら、うちにもお願いできないかな」と次々に縁が繋がって、そんざいがげいじゅつ馨子は様々な場所・空間に絵を描くようになった。


プライベートな室内空間もあれば、多くの通行人の目に触れるものもあり、いずれにしても彼女は「この環境に描くべきはものは何か」と熟考し、「作品の存在意義が感じられるものであるか」という点に重きを置く。

その土地の歴史を学び、そこに生きる人々を知り、その場所に暮らす人を尊重した作品にしたいと考えているのだ。


そして調べたことを踏まえた上で、自身の胸に湧き上がった感情を、画面に“保存”しているのである。


描画にあたっては、主にアクリル絵の具を用い、支持体はキャンバスや木材、麻布以外の布地など種類を問わない。

心の赴くまま、感性にしたがって作品を造り上げる。


アートマルシェや音楽フェスタでライブペイントを披露することもあり、夢中になって絵を描く彼女のエネルギーに、人々は知らず知らず惹きつけられるらしい。

或る時は少年が「楽しそうに描いているね。僕は今、習い事が楽しくないんだ」と悩みを打ち明け、また或る時は年配の婦人が「私も昔は絵が好きだったのよ。久しぶりにまた描いてみようかしら」と創作への思いを再燃させた。

ただ、描きたいままに描く。やりたいことを、全力で楽しむ。

その純真な姿勢が人々の心を捉え、「果たして自分は如何に」と自らを省みさせるのだろう。

そうして そんざいがげいじゅつ馨子の活動は意図せずして波紋のように広がり、人々の心を潤していくのだ。



Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。


そんざいがげいじゅつ馨子:2020年に制作を始めたときから特にぶれることなく創りたいものを好きなように創っています。


壁画
「 東大阪 壁画 」

アートイベントへの参加が増えるようになってから、そんざいがげいじゅつ馨子は描画だけでなく即興の踊りを披露するようにもなった。

学生時代から創作ダンスをする機会があり、実際に身体を動かすことはあったが、人前で踊ることはなかったという。

しかし壁画制作に始めて以降、彼女の体内に秘められていた様々なエネルギー・才能・感性 は、あらゆる方向に向かって芽吹き、花を咲かせているのである。

近年継続して参加している「原始感覚美術祭」の今年度の開催にあたっては、たき火の前でパフォーマンスをする予定だそうだ。

絵においても踊りにおいても、彼女は身体をいっぱいに使い、全身でアートを生み出している。


今後はより多くの場所へ赴き、滞在制作を行い、様々な国・地域とアートで触れ合いたいという そんざいがげいじゅつ馨子に、次のような質問を投げかけてみた。




Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。


そんざいがげいじゅつ馨子:苦しい状況はなかったが、創りたいときには創るだけだし、創りたくないなら創らないだけです。


(取材/執筆:大石)

 

そんざいがげいじゅつ馨子の作品を心ゆくまで堪能できる8日間

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