Erika in GIFT2025
会期:2025年1月23日(木)~1月26日(日)
会場:Gallery IYN
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InstagramでAIアート作品をしばしば目にするようになり、新しい創作手法の一つとして強く心を惹かれたErikaだったが、その未知なる世界に飛び込むことには躊躇いがあった。
やってみたいけど、難しそう。
それに、多忙な毎日の中で新しく何かを始めるには、時間も然ることながら気力も必要だ。
しかし、生活に追われているからこそ、様々な出来事、局面で一喜一憂する己の心を形にしてみたいという意欲がどんどん膨らんでいた。
そんな折にAIアート講座の案内を見かけ、意を決して受講を申し込み、そこから彼女の世界は大きく開けたのだった。
Erikaは幼い頃から自らの手で何かを生み出すことに喜びを見出していたが、作品作りにAIが介入することで、自ずとそれ迄の創作と勝手が異なる点もある。
作品を組み立てるパーツとなる生成画像は、自分の思い描いたイメージと100%合致するとは限らず、「作ってみたけれど、これは外れだな」というケースも少なくはない。
しかし、 AIが提案する予期しないアイデアが、新たなインスピレーションを生むことがある。
また、短時間で多数のバリエーションを試せる為、構想をスムーズ且つしっかりと練る事が出来る点もまた魅力であるという。
最近は、仕上げたデータを印刷した上に直に加筆をして「AI×デジタル×ペイント」が三位一体となった表現にも取り組んでいるそうだ。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
Erika:創作活動を始めたきっかけは、幼少期から何かを創ることが好きだったことに由来します。絵を描くこと、お菓子・パン作り、ビーズアクセサリー作り、編み物、人形服作り、お話作り、粘土遊びなど、様々な創作活動を趣味として楽しんでいました。
大学を卒業後は、経理の仕事に就いていましたが、30歳を過ぎた頃、何かを創り出すクリエイティブな仕事に憧れ、仕事を辞めてデザイン学校に通い、グラフィックデザインやWebデザインを学びました。しかし、卒業後は結婚し、デザイン業界への就職はせず、子育てに専念しました。その後、デザインではなく経験のある経理の仕事を再開しました。
仕事、子育て、家事に追われる毎日の中で、なかなか自分の時間を取ることができず、小さな子どもがいると、始めようと道具を広げた途端に泣き出されたり、材料を触らないかヒヤヒヤしたりすることが多く、次第に創作活動を諦めてしまいました。自分が何をしたいのかも分からなくなり、悶々と過ごす日々が続きました。
しかし、何かを創りたいという思いが燻る中で、AIアートに出会いました。パソコンやスマホで隙間時間でも少しずつ作業でき、道具を広げたり片付けたりする必要もなく、今の私にはぴったりでした。AIアート制作にのめり込み、昔好きだったことや経験がどんどん作品に活かされ、点と点が繋がっていきました。
現在、私は人生半ばに差し掛かっていますが、こうして作品を発表するようになりました。
実は、Erikaは長らく“自己表現”が苦手であったそう。
周囲に合わせることを優先し、気が付けば自分の感情を置き去りになってしまっていた。
しかし、創作に打ち込んでいると、自分の好きなもの、嫌いなものがはっきりと見えてくる。
また、どんなものに心を揺さぶられ、どんな感情を胸の内に抱くのか・・・自らに対しての感覚が日々研ぎ澄まされていく。
この内なる変化と共に、作品を仕上げることで生まれる達成感や満足感は、自己肯定感を高めてくれたと彼女は語る。
創作によって得られたスキルと知識、感性は、アート表現だけに留まらず、人生全般において役に立っており、自らを大きく成長させてくれているという。
以前の自分なら、作品をSNSで発信するなど考えもしなかった。
しかし、今は活動を通じてたくさんの出会いに恵まれ、アートを愛する者、創作に情熱を傾けられる者同士の交流が、より広い視野をErikaに与えてくれている。
時には、海外の人から感想や応援のメッセージが届くことも。
アートで繋がる人と人との輪は、彼女にとって掛け替えのない宝物なのである。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
Erika:「学び始めるのに遅すぎることはない。」という名言があります。私も挑戦する際、この年齢では遅いのではないかと何度も迷いました。不安や恐怖もありましたが、私はその中に飛び込みました。何度も失敗したり挫折したり、遠回りもしました。しかし、今こうして皆さんに私の作品を見ていただける機会が得られて本当に嬉しく思っています。
私の作品を通じて、鑑賞者には「挑戦する勇気」と「希望」を感じていただきたいです。年齢や状況に関係なく、何かを始めること、挑戦することの大切さを伝えたいと思っています。私の作品が、少しでも誰かの背中を押すきっかけになれれば、これ以上の喜びはありません。
展示に向けては、一つ一つの作品に込めた思いが皆さんに伝わるよう、心を込めて準備しています。この展示が、多くの方々にとって新たな一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。どうぞ私の作品を通じて、挑戦や希望を感じ取っていただければ幸いです。
未来に夢を見出すことは、決して若者だけの特権ではない。
何歳になっても、心持ち一つで自らの可能性は無限に広げることが出来るのだ。
また、歳月と共に変化するものも在って当然だが、その一方で、幾つになっても変わらないものも在るし、変わらずにいたいと思うものも在るだろう。
例えば、いつまでも身だしなみには気を配り、お洒落を楽しみたいという気持ち。
または、どんなに場数を踏んでも慣れることのない、“人前に立つ”ことに対してのプレッシャー。
それから、其々に違う道を歩んでも、顔を合わせれば共に過ごした青春時代へいつでも立ち返ることのできる友との絆・・・
死後の世界へ旅立っても、きっとそれらは変わらない。
そんな思いを骸骨というモチーフに託して、以前Erikaは3枚の連作を手掛けたことがあるそうだ。
今後、きっと死ぬまで変わらぬものに、今では創作に懸ける思いも加わっているようである。
彼女に敢えて、次のような質問を投げかけてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
Erika:現代社会に欠落していると感じることは、持続性や一貫性の欠如です。私自身も熱しやすく冷めやすい性格で、三日坊主になりがちです。何かに熱中して作り上げた後は、次に全く違うものを作りたくなります。そのため、同じテイストの作品を作り続けたり、超大作を完成させることが難しいのです。例えば、編み物ではコースターなら作り上げられますが、セーターは完成した試しがありません。また、靴下や手袋などは片方を編み終わると、もう違うものが作りたくなり、左右がそろわないことが多いです。
しかし、この三日坊主の性格も、繰り返すことで多くのことに挑戦してきた経験が、今の作品作りに大いに活かされています。
また、私はAIで作曲もしており、『Puzzle Piece』という曲を作りました。この曲は、パズルのピースにはデコボコがあり、それを削ってしまうとそのピースの最適な場所にはまらなくなり、パズルが完成しなくなるというテーマを持っています。デコボコがあったまま、自分らしく輝けばいいんだよ、という思いを歌に込めました。
欠落と聞くと一見ネガティブに聞こえますが、それがあることで乗り越えるために成長したり、人との出会いがあったりして、どこかで上手くバランスが取れているように感じます。現代社会に欠けているものも、個々の欠落を補い合いながら成長していく過程で、より豊かな社会を築いていけるのではないかと信じています。
(取材/執筆:大石)
Erikaの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
GIFT2025を、どうかお見逃しなく!
ErikaのSNSも、是非ご覧ください。
instagram: @erika__artistry33
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