遥森蓮 in GIFT2024
会期:2024年10月17日(木)~10月20日(日)
会場:Gallery IYN
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遥森蓮 経歴
・高校卒業後、東京の専門学校にて、漫画やデジタルイラストを学び、精力的に創作活動を行う
・2021年 約一年ほどの活動休止後「光橋沙弥」として、創作活動再開
・2022年 『夢見る少女展』『華とランジェリー展』『棺姫 vol.2展』出展 (ギャラリーIYN)
・2022年10月 『室蘭マンガ・アニメ祭2022』内にて、ご当地イラストとご当地漫画(現在 水族館に寄贈)を公開
・2023年 「京松沙弥」に改名し、2024年に「遥森蓮」に改名し、現在に至る
表現者として遥森蓮が歩んできた今日までの月日は、様々な苦悩と葛藤の連続だった。
専門学校では指導者から「上達がない」と画力不足を指摘され、周囲との技術差が大きなプレッシャーになり、「どれだけ努力しても追いつかない」と焦燥感ばかりが募った。
卒業後、学生時代からの取り組み、努力が報われてクリエイターとしての道が切り開けたかに思えたのも束の間。
更なる困難が遥森を襲い、一時は絵を描くことすら難しい状況まで追い詰められた。
それでも再起することができたのは、表現者としての強い自負と、絵への情熱があればこそ。
「絵描きが絵筆を折ってしまえば、それは死んだも同然」と遥森は考えた。
死にたくないなら、生き続けたければ、描くより他はない。
今なお トラウマが蘇り恐怖を感じることもあるし、自分の作風について、方向性について不安を感じることもある。
だが、絵の世界で生きていくためにはどう行動をすべきかと常に考え、己を鼓舞する。
「描き続けたい」という気持ちに嘘はつくまい。その信条が、遥森の心を支えているのだ。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
遥森:幼い頃から絵を描くこと、物語を作ることが大好きで、自由帳にイラストや漫画を描いたりして、それを高校の頃まで続けておりました。
漫画を描くことが自分の創作の原点で、漫画家として商業デビューすることが長年の夢でした。
本格的に創作活動に動いたのが、高校を卒業して、東京の専門学校に入学した頃でして、在学中に、漫画の基礎や漫画原作、キャラクターデザイン、デジタルイラスト、デジタルマンガを学び、その教えと、同期生との意見交換から、ほぼ独学で、創作技術を極めました。その傍ら、自ら脚本を書いてボイスドラマを作ったりと、精力的に、創作の幅を広げておりました。
そのお陰で、大阪や京都の企画展に初めて参加させて頂けたり、いくつか仕事を頂けて、創作活動全般がとても絶好調だったのですが、ひょんなことから「SNSの中傷被害」に遭ったことで、一度創作の場を離れ、3年前(2021年)に改名して創作活動を再開させました。
再開して、しばらくは「ゼロからの出発」のようなものだったので、なかなか皆さんに評価や認知して頂けなかったり、過去のSNS中傷で負った ""創作することの恐怖(心の傷)"" のせいか、絵が描けなくなったり、作風があまり決まらず苦しんでいたのですが、今のような画風になったのは、再開してから1年くらいの時でした。
それから、過去の経験を活かして、とにかく描いて研究しての連続で、「可愛くて綺麗な作品を描きたい」「見る人の心に残るような作品を描きたい」という思いから、今のような画風に辿り着くことが出来ました。
現在も、日々、研究しながら描き続けております。
これまでに舐めてきた辛酸ゆえか、「創作すること自体が、自分の中の “空白” を埋めるような感覚」であると遥森は語る。
画中の少女たちは、傷ついた心を癒してくれる、掛け替えのない存在だ。
欺瞞や妬み、憎悪などの現実世界に渦巻いている人の醜さとは無縁の彼女等は、無垢で純真な心を持ち、清らかに微笑を鑑賞者に投げかけている。
彼女等を披露するに相応しい場所はどこか、どうやって自身の世界観を世に発信していくべきか・・・その方向性はまだ定まってはいないそう。
時に「自分の作風は世間からは求められていないものなのでは」と考えることもあるという。だが、自身を評価し、ファンでいてくれる人がいる以上、望みは必ずあると遥森は信じている。
学生時代、漫画作品の講評会で一人目の編集者からは酷評されたが、次の編集者からは大絶賛を受けたことがあった。
アートには、絶対的な評価基準がある訳でなく、鑑賞者ごとに好みも違えば着眼点も異なる。
だからこそ、自分は描きたいものを描くのみ。
その上で、遥森は更なる高みを目指し、試行錯誤を繰り返しているのである。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
遥森:私の作品は、とにかく「可愛い女の子」しかおりませんので、私が描く《理想的で可愛い女の子》を見て、癒されたり、感動されたりなど、鑑賞者様から沸き起こる様々な感情を楽しんで頂けたらなと思っております。
そこは作品をご覧になられる方の感性に委ねておりますので、ご自由に楽しんで頂きたいです。
そんな思いを込めて、この『GIFT展』を盛り上げていけたらなと思っております。
以前は淡い色調を好んで用いていた遥森だが、それだけでは平べったい印象になってしまうと感じ、最近は濃い色も使うように心掛けているという。
また、モチーフごとの固有色に合わせて輪郭の色にも変化をつけ、色面と線に繋がりを持たせている。
そうすることで、作品は柔らかみのある風合いに仕上がり、少女達の内面から溢れでる美しさを際立たせることができるのだ。
デジタル技法ではあるが、線を引く際には一筆書きのつもりで臨んでおり、作業は常に真剣勝負。
ゆえに創作は原則としてまとまった時間のとれる休日に限定し、全身全霊で描画に打ち込んでいるそうだ。
これ迄の苦しい体験の全てが報われ、その行く手には幸多き未来が待っていることを祈りつつ、遥森蓮 に敢えて、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
遥森:私から見て、現代社会って、何かに渇望したりと「欲望に飢えている人」が多いなと、日々感じております。
情報や便利なものが多くなっていくにつれて、いったい何を信じたら良いのか、自分の価値・存在理由は何なのかと、便利なんだけれど、気持ち的に生きづらい世の中になってきているように感じているんです。
そのせいで、事件や迷惑行為などが多くなってきましたからね。
その昨今の事件や、迷惑行為、私が過去に受けたSNSの誹謗中傷もそうですが、孤独や絶望や嫉妬など、何かしら ""満たされない思い"" を抱えながら、誰かのせいにしたり、奇行に走る人が殆どなので、それを考えると、こう社会全体が《飢えている》ように思うんです。
私も、そんな現代社会で生き、そして ""飢えた人間"" でもありますが、私の場合「他人を傷つけたり迷惑かけること」自体、家庭環境や過去の経験、道徳的な観点から「それはいけないことだ」と教えられ学んできたので、自分のなかの ""飢え"" や ""空白"" を埋め、《理想》を表現させるために、いまこうして創作を続けているんです。
社会全体、皆さんそれぞれが求めているもの、そんな「渇望」を潤し、そして、見て感じる人の心を癒すために、芸術・芸能は存在しているんじゃないでしょうか。
なので、これからも、芸術を愛するアーティストの皆さんや、いつも支えて応援してくださるファンの皆さんと共に、これからも、芸術(エンターテイメント)を盛り上げていきたいと、そう考えております。
(取材/執筆:大石)
遥森蓮の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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instagram: @ren_sumimori
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「なにか欲しいものはありますか?漫画やイラストなど、アナタが”欲しいもの”をお届けします!お仕事のご依頼・ご質問、お気軽にどうぞ!」by 遥森蓮
《 遥森蓮 プロフィール 》
漫画家・イラストレーター。群馬県伊勢崎市出身・在住。
東京アニメーター学院 漫画家プロ養成本科 他 卒業。
可愛くて綺麗なタッチをメインに、日常の光と影、心の闇などを
多彩なジャンルで描きながら、創作活動をしている。
2022年に、北海道室蘭市のイベントにて、
室蘭市の「ご当地イラスト」と、ご当地漫画『アクアリウムランド』を発表。
2024年、オリジナルホラー漫画『Eternal Scars』が
「第14回YK合同新人漫画賞(少年画報社)」の最終選考作品に残る。
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