長谷川明美 in GIFT2024
会期:2024年10月17日(木)~10月20日(日)
会場:Gallery IYN
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長谷川明美 経歴
・2023.1「BUNGEI Alcohol Ink Art Show」出展
・2023.5 Gallery IYN / Creation Cafe IYN
『LOVE 展 vol.2』
・2023.11 個展「ご縁木−ごえんぼく」
・2024.2「BUNGEI Alcohol Ink Art Show」出展
それまでアートという分野に興味を持ったことはなかったが、コミュニケーションアプリを通じて偶然アルコールインクアート作家と出会ったことを切っ掛けに、長谷川明美の表現者としての人生の幕が開がる。
ドライヤーを使って画面上でインクを動かし、独特の模様を作り上げる手法と知って、その未知の世界に彼女は好奇心をくすぐられた。
「筆ではなく、風で描くアートがあるのか」と。
知り合いになった作家からの手ほどきで実際に制作を体験し、増々アルコールインクアートに夢中になった。
互いの住まいが遠く離れていたため、最初のレクチャー以降は独自に表現を模索することになったが、なんと長谷川は初挑戦の3ヶ月後には日本アルコールインクアート協会認定の講師資格を取得。
自分の思い描いたイメージに、風は思いもかけないアレンジを加えてくれる。そうして、自身の意図を超えた作品の誕生を目の当たりにする面白さは、今も彼女の心を捉えて離さない。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
長谷川:2021年、snsにてアルコールインクアートを描いていた人に出会いました。ドライヤーの風で描くアートに魅力され、描き方を教わり、アート活動が始まりました。最近はアルコールインクアートに影絵をつけるようになりました。影絵を描くことでより自分らしいメッセージが届くのではないかと思っています。
アルコールインクアートと出会った同年に、長谷川は最愛の夫を見送った。
あまりにも突然のことだったので気持ちの整理もつかず、深い悲しみと喪失感に襲われ、未来に何の希望や楽しみも見いだせないように感じたが、彼女は別離の3日後に創作を再開する。
それは、“創作”というよりは“作業”に近く、ただ寂しさを紛らすためだけに、ひたすらに手を動かし続けた。
しばらくは無感動な動作であったが、アートは時間をかけてゆっくりと心を癒してくれた。
美しい色彩効果が慰めになっただけでなく、SNSで彼女の作品を見た人が感想や制作依頼をくれるようになり、鑑賞者の声に励まされ、ようやく本来の自分を取り戻すことが出来たのだそう。
絶望の中で、どうして作品を作り続けることが出来たのか。
思い返せば、長谷川がアルコールインクアートを始めて、生き生きと創作に熱中する様子を誰よりも喜び、応援してくれたのは夫だった。
ひょっとすると彼が天国から、悲嘆に暮れる妻へエールを送り続けてくれていたのかもしれない。
また、大きな悲しみに襲われる前にアルコールインクアートと出会えたことは、“運命”であったと言えるかもしれないと、長谷川は考えている。
そうしてアルコールインクアートは、彼女の“心”を、そして“人生”を支え続けてくれているのだ。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
長谷川:人生はほんとうにさまざまなことがあります。明日という約束はない、今日生きていること、大好きな人が目の前にいてくれること、それは奇跡です。今を大切に、そして大切な方たちと過ごせる今を大切にしてほしいというのが私の気持ちです。
ふとした思いつきで、アルコールインクの模様を樹木に見立て、木の下に立つ人物のシルエットを描き入れて個展で披露したところ、思いのほか評判を得た。
記念写真を取ったり、待ち合わせの目印にしたり、その木陰が人々の憩いの場になったり・・・“樹”には様々なドラマが感じられると気が付いたこともあり、樹木と そこに集う人々の姿は、長谷川の創作になくてはならない重要な要素となっている。
インクを画面上で動かす際は、ドライヤーだけでなく、カメラの手入れ等に使用するエアブロワーも使用する。
スプレーの細い吹き出し口が、こまやかな木の葉の表現に適しているそうだ。
実は長谷川は、冬の間は一切作品を作らない。
不思議なことに、彼女のイマジネーションは春になるまでは眠りにつくらしく、その間は道具の手入れをして過ごしているのだとか。
そして新緑が芽吹き、花々が咲き誇る時期になれば、自然と意欲が湧き上がるのであるという。
かつては「アート作品だけで生計を立てたい」とネットショップに多数作品を出したこともあったが、そうすると、ただ販売品を並べるためだけの制作になってしまい、楽しみや喜びを見いだせなくなってしまったそう。
依頼主の希望に沿うために、または知人へプレゼントするために、真心を込めて作品を作る・・・或いはチャリティーを目的とするなど、“誰のための作品か”ということを明確にして取り組むことが、彼女にとって一番違和感のない活動姿勢であるらしい。
改めて気が付いた理念を貫くと共に、彼女は自身の作品を設置してもらえる場所を日々探している。
少しでも多くの人をアートで元気づけたり、癒すことが出来ればと、現在は近所の薬局に1点作品を展示してもらっている。
今後は「小児病棟とか保育園など、子供たちがいるところにも多く飾って貰えたら」と考えているそうだ。
彼女に敢えて、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
長谷川:いろんなことが便利になっているこの世界。みんな忙しく動いている中で、「自分自身を愛せているか?大切にできているか?」と疑問を持つことがあります。時間は誰もが平等に与えられたもの。大切に使ってほしいと自分自身も含めて想います。
(取材/執筆:大石)
長谷川明美の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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instagram: @beloved_you_ah
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《 長谷川明美 プロフィール 》
千葉県在住
1969.4.24
アルコールインクアート認定講師
インスタグラム
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