なずな in GIFT2024
会期：2024年10月25日（金）～10月28日（月）
会場：Gallery IYN
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今でこそ「推し活」として世間に肯定的に受け入れられるようになってきたが、嘗てはネガティブに捉えられることが多く、学生時代の頃から段々に、社会に出てからは尚一層、なずなは自分の胸の内にある大切なものに蓋をするようになってしまった。
しかし、自分らしさを隠して求められているであろう「普通」を装ったつもりでも、その個性は知らず知らず表に出てきてしまうものらしく、「変わってるね」と周囲から評されることも しばしば だった。
それならば いっその事、在りのままの自分で居た方が、人生を楽しめるのではないか。
現在彼女は自らの心を誤魔化すことなく、自由にイラストで自己表現を行っている。
そうして描き出すのは、スイーツや花の精のような、愛らしく可憐な少女たち。
当初はアクリル絵具や透明水彩、色鉛筆等々アナログ画材を用いていたが、最近はデジタルイラストを手がけることが多く、修正のし易い点に大いに助けられながら、自身のこだわりの「可愛さ」を追及しているという。
Q. 創作コンセプトや創作活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
なずな：小学校高学年の時にマンガ・イラストクラブに入ったことがきっかけでイラストを描くようになりました。
ただ単に少女マンガが好きという理由だけで入ったのでマンガはおろかイラストさえあまり描いたことがありませんでした（笑）
最初は模写ばかり描いていましたが、これが意外と楽しくて描けば描くほど上達していくのが分かるので学生時代はイラストの世界にのめり込んでいました。
社会人になってからは仕事が忙しくイラストと疎遠になっていましたが、ある日体調を壊してしまい仕事を辞めざるを得なくなったことをきっかけに、また学生時代の頃のように楽しくイラストを描きたいと思い、SNSでイラストを発信するようになりました。
自分の世界観をオープンに、イラストで自分の「好き」を発信するようになり「これまで抑圧していた気持ちを解放できるようになった」と なずな は語る。
自分に正直でいることで毎日がとても楽しくなり、そうして明るく前向きな気持ちで描いた作品を披露することで、鑑賞者にも笑顔を届けられたらと考えているそうだ。
SNS上で多数のクリエイターから刺激を貰ったり、また参加した展示が縁で出展者同士親しくなったりと、創作活動を通じて彼女の世界は大きく広がった。
作風を「好きです」と言ってもらえた喜びは勿論、「名刺やキャプションボードまで凝っておられるのが良いなと思いました」と、細部のこだわりにまで気付いてくれる人がいた事も嬉しかったと、なずな はこれまでの展示の思い出を話してくれた。
「子供に好かれるタイプの絵柄だね」と言う感想も多く寄せられ、最近は制作時に子供の目線を意識するようになったという。
小さな子供が喜んでくれるであろう服装、楽しんでくれるであろう背景描写・・・
純真な子供の目に輝いて映る作品ならば、大人が見てもきっと心が和むものである筈。
童心に返り、心を弾ませながら、なずな は夢の世界を紡いでいるのである。
Q.あなたの作品で、鑑賞者にどんな気持ちをGIFTしたいですか。また展示に向けての意気込みも教えてください。
なずな：見た方が思わず『かわいい〜!』と口元が綻ぶような、笑顔をGIFTできるイラストレーターになりたいです。
今回のGIFT展でも私の作品を見た方が少しでも喜んで頂けるよう1つ1つの作品に愛を込めて取り組んでいきたいと思っています。
仕事や生活に追われて時間のない時に、急いで描いた作品をSNSに投稿していた時期もあったが、後から見るとその仕上がりの粗さに「無理をして描かなくても良かった」と後悔が残った。
それ以来 なずな は心身のコンディション、モチベーションが最良の状態で制作に打ち込むよう心掛けるようになったそう。
自分を追い詰めて描いた作品では鑑賞者も楽しめないであろうから、展覧会に出展する際は、余裕のある創作スケジュールを組む。
この日までには下描きを、この日までには色塗りを・・・と、ゆとりを持って其々の工程を進め、煮詰まってしまった際にはファンアートを描くなどして気分転換をしているそうだ。
今後は「キャラクターのグッズ展開や、対面販売にも挑戦したい」と、なずな は自身の夢を生き生きと語ってくれた。
彼女に敢えて、社会や自分には足りないと感じているものについて聞いてみた。
Q現代社会に欠落していると感じる事や、自分自身の体験等から欠落していると感じる事を聞かせて下さい。
なずな：もっとご自身のことを大切にしてほしいなと思います。
現代社会にいるとどうしても仕事や周りを優先しなくてはならなかったり、時間や情報に追われて自分のことは後回しになりがちです。
そのせいか、自分の心に余裕がなくなって相手に対して心無い言葉を言ってしまう人や身体を壊してしまう人が多い気がします。
『自分のためは人のため』というようにまずは少しでも自分の時間をとり、いつも頑張っている自分を労ってあげたり、やりたかったことをして自分自身を整える時間を過ごして頂きたいなと思います。
それができて心にも余裕が出てきて、人にも優しくできます。
今の時代難しいとは思いますが、少しでもそういう方が増えて自分にも相手にも思いやりを持って接する社会になってほしいなと思います。
私も以前身体を壊してしまったり、心に余裕がなくなって家族に当たってしまった経験があるので、まずは自分自身を整えてから相手と接するよう気をつけています。
（取材/執筆：大石）
ななずなの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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by なずな
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