薊うゆ in ART INPUT 2025
会期:2025年2月6日(木)~2月9日(日)
会場:Gallery IYN
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小学校の中学年頃、授業の中で「形のないものをテーマにして絵を描く」という課題が出された。
自ずと、自分の内面世界や感情を描いた作品が多く並び、薊うゆ は級友たちの作品を見ながら、あることに気が付く。
可視化されることで初めて知る事、理解できる事がこんなにもある。
しかし、平素はそれを見ることが出来ない。
であるならば、自分はどんなに多くのものごとをこれまで見落としていたのだろう・・・
周囲を見ることが全く出来ていなかったのでは、と。
それから、自身の感情を絵で表現するようになった。
己の頭の中に浮遊するものを掴み取り、吐き出すことで自分を理解するために。
あるいは理解してもらう為に。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
薊うゆ:【努力できない努力家】という作品です。
はじめて大きなキャンバスに触れて、長い期間一つの想いと向き合い続けて。
結局自分は思っているより、かなり絵がすきだったんだなと。再認識できるきっかけを与えてくれた子だったからです。
【努力できない努力家】は高校三年生の時に描いた作品で、一年がかりで制作に取り組んだ。
早朝に校門を潜って美術室へ直行し、休憩時間も可能な限り描画を進めた。放課後は午後七時ぐらいまで居残って、荷物さえ少なく天候も良ければ家に持ち帰って作業を続けたという。
「描いてる間は、兎に角ずっと苦しかった」と、薊うゆ は当時を振り返る。
自分はこんなにも長くこの作品に向き合っているのに、なんの魅力も与えてやることも出来ず、評価も成績も伴わない。
けれど、周囲の生徒たちは意図も簡単に優れた作品を作って、けろりとした顔をしている・・・
悔しくて、悔しくて堪らなかった。
しかし、どこかの段階でこう考えるようになる。
技量で勝てないのであれば、物量で勝負。
誰よりも長い時間をかけて、誰よりも細かく描き込んだ作品を仕上げてやろうではないか、と。
いつしか作品は、薊うゆ にとって人生の一時を共有する相棒のような存在になった。
また、こんなにも作品を通して徹底的に自分と向き合えるということは「自分なりに己を認め、愛しているという事なのかもしれない」と思い至ったそう。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
薊うゆ:小学校の時、クラスメイトのとある女の子を好きになって、その子が細かい絵を書いていたらすごく誉めてくれて。
それだけで作品たちを作ることができました。
彼女が誉めてくれる、それがなにより嬉しかったのです。
目が覚めて、まだ頭がぼんやりとしている段階で、幸福感のある絵を描く。
そして眠る前には、不安や不満を画面にぶつけて吐き出す。それが日課となっており、制作は謂わば日記のようなものであるのだそう。
「制作に向かうことで、少しだけ自分が真っ当な人間であると思える、その安心感のために描いているのかもしれません」と、薊うゆ は語る。
自分は自分の一番の理解者であり、作品を誰よりも高く評価する・・・その信条があればこそ、今日まで歩いて来られた。
創作とは飽く迄も己自身と対峙する行為と考え、他の鑑賞者の存在はあまり意識していないそう。
SNSの投稿も、作品の記録が目的だ。
なので、自身の作品へ反響があると、嬉しいよりも不思議な感覚の方が強いらしい。
「いいねされてる…!何故…!」と。
取材の最後に、次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
薊うゆ:乗り越えられないかもしれません。今ちょうど10年の大失恋していて、自分でも、どうやってうまく立ち直れば良いのか分からなくて、仕事もなにも手につかなくて、でも筆はすごく進んでしまって、どうしたら良いのかが分かりません。
今までなら、彼女がいたから全てどうでも良かったのに。なにも不安なんてなかったのに。
(取材/執筆:大石)
薊うゆの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUTを、どうかお見逃しなく!
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