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更新日:9月10日


虚月はる in ART INPUT 2025


会期:2025年9月11日(木)~9月14日(日)

会場:Gallery IYN


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雲の中で泳ぐクジラ
「 雲の海 」

※写真は光調整などの加工をしております。

※展示写真は保存・SNSでの使用全て可能です。

※写真をクリックすると綺麗にご覧いただけます。


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虚月はる が目指すのは、ただ‟綺麗な絵”として通り過ぎられるのではなく、「この絵の背景には、どんな物語があるのだろう」と鑑賞者の想像力を掻き立てることの出来るデジタルイラスト。

制作に着手する際は、描かれた場所は如何なる場所であるか、そこに佇む人物はどんな事情を背負っているのかと、細やかな設定を事前にノートに書き出しているそうだ。

“物語性”という鑑賞者の心を惹き付ける引力は、そうして生まれているのである。


また、彼女の作品の中には、凄惨な状況であるにも関わらず、人間以外の生物も含む登場キャラクターが穏やかな様子を見せていたり、または華やかで明るい画のはずなのにキャラクターは苦しそうであったりと、一種の矛盾を内包した情景描写が多く見受けられる。

「“幸福”と“救済”の形は、命の数だけある」と考えていることから、画中のキャラクターの幸不幸を、果たして一概に断定できるものだろうかと、彼女は常に思いを巡らせながら作品を描き進めているのだそう。




Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。

また、何故その作品をお選びになりましたか。


虚月はる:『うたかた水族館』です。

目指したい画風がしっかり掴めたという手応えを感じたのがこの作品だったことと、人から「この作品が好き」と言ってもらえることが多いからです。


骨が泳ぐ水族館
「 うたかた水族館 」

「うたかた水族館」を描く以前は、自身が創作の軸に据えたいものがキャラクターであるのか、それとも情景描写に力を注ぎたいのか、進むべき道を迷っていたと虚月は語る。

双方とも描いていて楽しいのだが、どちらに重きを置いてスキルを磨くべきなのか、そろそろ決めなくてはと感じ始めていた頃に、「うたかた水族館」は描かれた。

仕上げて見て「自分はキャラクターだけにスポットを当てるよりも、画面全体を使って世界観を表現する方が好きなのだ」と悟り、以来、彼女は迷うことなく自らの道を歩み続けている。

以前から好きではあったそうだが、生物の骨格に魅力を感じている自分をはっきりと認識させてくれたということもあり、「うたかた水族館」は“虚月はる らしさ”を確立させてくれた記念碑的な作品であるのだそう。


最近の創作活動について訊ねてみると、artbook事務局が発刊するファンタジーをテーマにしたアートブックに作品を掲載することになり、以前GIFT展で披露した「 雲の海 」の対になる作品を制作したとのこと。

「雲の海」は、空にいる筈のない鯨が雲の海を泳ぐ姿を描いたので、それならば次は地底にいる筈のない鳥を描こうと、趣向を凝らしたものになっている。彼女の描く空想世界は、そこから更に広がりを見せようとしている。

最近の愛読書である「美しいインクルージョンの鉱物図鑑」に触発されて、内包物のある水晶を主題にしたシリーズを制作中だそうで、美しく幻想的な水晶内世界を舞台に数々の物語が今まさに紡ぎ出されている。

こちらのシリーズは「ART INPUT」展にて披露する予定だ。

是非ともご期待頂きたい。




Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。


虚月はる:私の創作の方向性については、生まれ育った土地と、10代の頃に読んだ本が大きな影響を及ぼしていると感じます。

同級生が片手で数えるほどしかいない山奥の辺境の地で育ったので、自然の中を探検することと、学校の図書室や定期的にやってくる市の移動図書館で借りた本を読むことくらいしか娯楽がなかったんです。

その探検の中で見つけてきた景色や、読んできた本が、私の創作の基盤を作り上げていると思っています。

10代に読んだ本の中で私に最も大きな影響を与えたのは、最果タヒさんの詩集『空が分裂する』です。

『空が分裂する』で最果タヒさんを知ってから、ずっと好きです。詩の中の一節からインスピレーションを受けたりすることもあるため、最果タヒさんの詩集は、創作に行き詰まった時のお守り的な存在にもなっています。

詩そのものはもちろんのこと、その見せ方も非常に魅力的です。Web上や書籍で詩を発表するだけはありません。詩を用いたグッズ、展示、プラネタリウムなど、多岐に渡る方法で詩を発表しています。

私自身も一枚の絵だけに囚われず幅広い方法で自分の世界を表現したいと考えているので、尊敬しています。


異形たちと晩餐
「 最期の晩餐 」

「空が分裂する」を読んだ時の感慨を言葉にするのは難しいが、どの頁を見ても、どの言葉を拾っても、その全てが虚月の心の琴線を掻き鳴らしたという。

「一冊の中に、私の“好き”がぎっしり詰まっていました」

そんな本と出会えたこと、そこから自身の嗜好を、つまりは己を更によく知り、虚月はクリエイターとして新たなステージへと踏み出したのかもしれない。

これからも様々な書籍や多用なアート表現に触れ、増々“虚月はる らしさ”に磨きがかかった作品が生み出され続けて行くことだろう。


取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。




Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。


虚月はる:①創作のネタとして昇華すること

②本を読むこと

③美しいと感じるものに目を向けること

で乗り越えてきました。

元々ダークな作風である分、強い負の感情なども作品に活かしやすいので、割り切って考えるようにしています。

割り切れそうにない……という時は本を読みます。一時的な現実逃避として小説を読みフィクションの世界に没頭するという場合もあれば、辛い出来事を乗り越えるヒントを探すために読む場合もあります。

大抵のトラブルや悩みは、同じような目に遭ったことがある先人がいるものです。先人たちの知恵をお借りすることで解決したり、解決できなくとも多少は心が軽くなったりします。この場合は実用書やノンフィクションのエッセイなどが役立ちます。

「美しいと感じるものに目を向けること」というのは常日頃から意識しており、手帳に書き溜めています。消えてしまいたいくらい苦しい出来事があっても、こんなにも私の心を惹きつけるものが世界に存在しているのだという事実に希望を見出すことができます。


(取材/執筆:大石)

虚月はるの作品を心ゆくまで堪能できる4日間

ART INPUT2025を、どうかお見逃しなく!


虚月はるのSNSも、是非ご覧ください。

Instagram:kouduki0822

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《 虚月はる プロフィール 》

寂れた世界や異形の存在、博物学に関連するイラストを描いています。

綺麗なだけでは終わらない「物語性」を感じる表現を大切に、SNSや雑誌への作品投稿、展示会等のイベントへの参加をメインとして活動中。

制作依頼も大歓迎です。

 
 
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