- yuko Oishi
- 6月8日
- 読了時間: 6分
更新日：6月18日
potore in 個性について考える 2025
会期：2025年6月19日（木）～6月22日（日）
会場：Gallery IYN
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新しいことに挑戦すること、たくさんのものに触れて刺激を貰うことが、表現スタイルを摸索する上で自分にとってはとても重要であるようだと、potoreは語る。
高校生に入ってから挑戦を始めたデジタル技法も表現の幅を大きく広げてくれたし、その後専門学校で学んだデッサンの基礎に応用、デザインの知識もまた同様だ。
現在、イラストレーターとしてだけでなく、グラフィックデザイナーとしても活動する中でも、実に沢山の糧を得ている。
また、あたたかくて可愛いポップなイラスト作品を得意としながらも、パッキリとした配色のスタイリッシュな作風、シックな作風を鑑賞することも好んでおり、時にはそうした風合いを自らの創作にも取り入れられないかと試みているそうだ。
月日を重ねながら表現方法を進化させつつ、描きたいもの、作品作りの根幹にある思いは、「昔から然程変わっていないかもしれません」とのこと。 似顔絵を描いたり、好きな漫画やアニメキャラクターの模写をしたり、また独自のキャラクターを生み出すことに没入していた幼少期と同じ心の高鳴りが、今も彼女を創作へと駆り立ている。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
potore：あたたかくやわらかなタッチ(雰囲気)です。また、感情の表現でしょうか。ここ数年はあたたかい気持ちを表現したいため動物や架空のキャラが多いですが、複雑な人間の感情を描くのが好きです。
笑いながら泣いていたり、伏せ目だけれども微笑を浮かべていたり・・・
笑顔ひとつをとっても、どんな感情がその笑顔を生み出しているのか、その人の人となりや置かれている状況によっても複雑に変わる。
「何故この人は笑っているのだろう」「何があったのだろう」
思わず足を止めて、その笑顔の裏にある感情を読み解こうと思って貰えるようにと、人物の心情に思いを馳せながら表情を描くことも然りながら、potoreは情景や空気感の演出にも意識を向けているようだ。
野菜や動物などをモチーフにしたオリジナルキャラクター達はいずれも愛おしいが、中でもお気に入りなのが、ヘタを帽子に見立ててデザインしたトマトの“とめと”と、皮をリボンに見立てたじゃがいもの女の子”ぽてこ”だそうだ。
自分が心から「可愛い」と思える造形を目指すことが第一前提として、そのキャラクターに命を吹き込められるよう、どんな性格なのか、どんな生い立ちなのかと設定を加えながら、potoreは造形のバランスにも考慮しつつ描画に臨んでいる。
キャラクターを生き生きとした姿で描き出すために、何よりも大切なもの・・・
それは“描き手の愛情”である、と彼女は話してくれた。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
potore：私は昔から、イラストで誰かを喜ばせることが好きで、よく描いてはプレゼントしたり見せたりしていました。褒められることが何よりの喜びでした。
その想いは今も変わらず、自身の作品で誰かの心を動かせたら、プラスの感情になってもらえたら、という願いを根底に作品作りをしています。
そのため、感情や場の雰囲気をイラストで伝えられるようなアーティストを目指しています。一目見ただけで、シーンが思い浮かんだり生きていると感じたり…。イラストで見た人をあたたかい気持ちに出来たらと創作することが多いです。
まだまだ私は発展途上なので、様々なイラストやアニメーション、デザインに挑戦し、少しでも表現の幅を増やしていきたいですね。自分の頭の中をもっと出力したいという気持ちでいっぱいです！
今後、イラスト集の出版や個展の開催をしたいなと夢見ています。また、誰でも気軽に読める絵本を制作するという、ちょっとした目標を2年ほど前から画策しております。
グラフィックデザインもイラストも、ご依頼含む作品作りにより一層励み、誰かの心を少しでも動かせたら嬉しく思います。
仕事として引き受ける作品とは別に、最低でも月に一度は自分のための創作をすることを心掛けているというpotoreは、自分の考えや感情を表現出来る時間は、人生を豊かにしてくれる大切なエッセンスであると考えている。
たとえ作品が完成しなくても、さらっとペンを走らせる程度でも構わない。
または、絵以外のものであっても、なにかしらの物作りを通して芸術に触れるようにしているそうだ。
何かを生み出すには、少なからずエネルギーが必要であり、疲れが生じることもない訳ではないが、それを上回るほどに楽しくて、生きることと創作を最早切り離すことは出来ないという。
構想途中の絵本制作は、動物のキャラクターが登場するほのぼのとした物語と、女の子と人形の不思議な関わりを描く物語の2通りを考案中だ。
いつか無料で閲覧可能な電子書籍として、あるいはYouTubeで朗読絵本のような形で公開したいとのこと。
飽く迄も趣味として、具体的な実現期日は設けず、のんびりと楽しみながら・・・
potoreの活動を見守ってくださる皆様方には、彼女の夢が形になる日を、ゆったりと気長にお待ち頂ければ幸いである。
取材の最後に、potoreに次のような質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
potore：程よい利便性と豊かな自然、私を大切にしてくれる素敵な人々。近くに自然があることで、比較的温和な今の自分があると感じています。振り返れば、自然を美しいと思える心、景色を楽しめるのは、育った環境が良かったからかもしれません。
嫌なこともあったけれど、それすら今は必要な経験だったと思えるほど故郷のことは好きです。今でも定期的に故郷に帰り癒されています。
（取材/執筆：大石）
potoreの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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《 potore プロフィール 》
グラフィックデザイナー兼イラストレーターのpotore(ぽとれ)です。
食べ物とかわいいもの(生き物含む)がすき。
趣味はゲームや映画・アニメ等の鑑賞、音楽を聴くことなど。
のんびりと元気にたのしく生きるのをモットーに、今日もどこかで生きています。
