- yuko Oishi
- 4 日前
- 読了時間: 5分
KITI in 個性について考える 2025
会期:2025年6月12日(木)~6月15日(日)
会場:Gallery IYN
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悲しみや恐怖、寂しさ、苦しみ、愛を渇望する思いと隣り合わせの孤独感・・・
それらを押し殺して生きている人もあれば、わだかまる感情を上手く言語化できないままに持て余している人もいるだろう。
特に思春期においては、鬱屈した気持ちの正体を掴めずに、もどかしい思いをした人も多いのではないだろうか。
KITIが描き出しているのは、そうした心の深淵の情景である。
昨年春に「GIFT展」に参加して以降、私生活において多忙を極めていたこともあり、創作に取り組む時間はなかなかと取れなかったが、その分だけ自身の創作についてじっくりと考える時間を持つことが出来たと、彼女はこの一年間を感慨深げに振り返る。
改めて表現手法を探求すべく、幾つか試作的な絵にも挑戦をしたそうだ。
以前は、コピックマーカーを用いてイラストを描くにあたり、学生時代に取り組んだ油彩の経験を生かしていたが、より表現の幅を広げるべく、最近は再び油絵の具を用いているのだそう。
「個性について考える展」で披露する作品たちは、今までの作風とはガラリと異なるものになりそうだ。
その変化を「これもまた自分自身。自分が感じているものなのだ」と受け止めながら、KITIは一作一作大切に描き上げた。
旧作との違いに驚かれる方も在るかもしれないが、「これもKITIの心の中にある風景の一つなのだな」と感じて貰えたら・・・そんな思いを胸に、新作披露に臨むという。
Q1.あなたの作風において、個性的だとご自身が感じておられる点、または鑑賞者の方から個性的と評価される点について教えて下さい。
KITI:liminal spaceにインスパイアを受け、そこにオリジナルキャラクターを潜ませた心象風景の画風が個性なのかな、と感じています。
鑑賞者からは、キャラクターの「表情」や絵柄、色使いなどに個性があると言われる事が多いです。

ネットミームとして爆発的な人気を得る「liminal space」が広まり始めた2019年頃、KITIはその不気味な空間と世界観に大きな衝撃を受けたという。
当時はそれを作品に取り入れようという考えはなく、ただ単純にそれらを鑑賞して楽しんでいたのだったが、いつしか「人の心の中には、実際にこういう世界が広がっているのかもしれない」と感じるようになり、自らが描き出す心象風景にも反映されるようになったのだった。
「liminal space」を実際に作中で描くようになったのは2023年1月頃から。
Gallery IYNで開催された「青い果実vol.3」に出展した「ずっとこの"青春"が続いてほしい」が第一作である。
決して出口に辿り着けそうもない、恐ろしく広大な迷宮を彷徨うということ、それが即ち人間の一生であると言えるかもしれない。
そして、表現の世界にもゴールが存在しないように、KITIの描く「liminal space」もまた、これから果てはなく続いていくことだろう。
Q2.これまで、どんなアーティストを目指して創作をして来られましたか。また、表現者として今後叶えたい夢や、近づきたい理想像について教えて下さい。
KITI:鑑賞者が作品に共感したり、なんでもいいから何かを感じてもらえるような作品を目指して活動してきました。
数年前、とある展示で私の絵を見た1人のお客さんが「心臓が爆発した」と言ってくれたのがずっと心に残っていて、またそのように相手の心に響く作品を描きたいと思いながら作品を制作しています。
今後叶えたい夢や理想像は、アートフェア東京などの大きい場所で作品を展示できるアーティストになることです。

大きな色面をムラなく塗り上げることはコピックマーカーでは難しく、サイズ的な限界もあったが、油絵に立ち返ったことで、KITIは以前よりも大きな作品にも取り組むことが出来ているのだそう。
また、筆の種類によって異なる筆致を生み出せるだけでなく、手やスポンジでも絵具を画布に乗せることが出来る他、様々な素材と組み合せた混合技法も魅力的であるという。
そうして油彩技法の可能性を感じながら、心象風景の可視化を試みた新作たちが並ぶ「個性について考える」、幕明けが待ち遠しい限りである。
今も作業時間の捻出が難しい状況にあることは変わりなく、私生活と創作活動のバランスを如何にしてとるかが、最大の課題であるらしい。
なかなか一足飛びにはいかないだろうが、ゆっくり前進し、進化していく彼女の表現を、「個性について考える」以降もぜひ見守って頂きたい。
取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。
Q3.生まれ育った土地柄や環境があなたに与えている影響と、いま故郷について感じていることを教えて下さい。
KITI:生まれは違いますが、幼少期はずっと沖縄に住んでいたので、私の故郷は沖縄だと思っています。
沖縄の環境や文化、住んでいる人達の人柄もあって、自由にのびのびと自分らしく生きる大切さを知りました。
今はなかなか故郷には帰れていませんが、私という人間が形成されたずっとずっと大切な場所です。
(取材/執筆:大石)
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