スカビィ in ART INPUT 2025

会期：2025年5月29日（木）～6月1日（日）

会場：Gallery IYN

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年齢を重ねていく中で「何か趣味を持ちたい」と思い、スカビィが絵筆をとるようになったのは、今から5年程前のこと。

当初はデッサンに取り組むなど、具象的なモチーフを主題としていたが、いつしか抽象的な表現へと移り変わり、今日に至る。

「あまり具体性を持たせなようにしよう」　そう考えるようになったのは、長年自身が“観る側”の人間として、アートを通じて気付いたことがあったから。

学生時代に絵を描くことが好きな友人の影響でしばしば美術館へ足を運ぶようになり、その後も様々なアートを見て楽しみながら、彼は自らの心の中にあるバイアスを知ることが出来たという。

どうしてこの絵を好きだと感じるのか、或いは嫌いだと感じるのか・・・

突き詰めて考えることで、自分に対する理解が深まると共に、自分に限らず全ての人々が、それぞれの嗜好、言うなれば一種の思い込み、偏見を抱えて生きているのだということにも気が付いた。

異なる感性を持つ人々の集まりである社会の中で、一人一人が自らのバイアスを把握することは、とても重要だ。

自らが“描く側”に立った今、スカビィは作品を通して「貴方はどんなバイアスを持っていますか？」と、鑑賞者に問いかけている。

Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。

また、何故その作品をお選びになりましたか。

スカビィ：特にありません。どれも私であると思います。

敢えて何も意図せず、意識せず、ただ漠然と手を動かす中で自然と生まれてくる図像の中に、結果としてスカビィの感性や思想が表われている訳だが、作品の解釈は観る人の自由であって良い。

その鑑賞の妨げとならないように、作品は必ず無題である。

描画にあたって特に拘っている点はないのだが、強いて何かを挙げるなら、作品の具体性を減らす一つの手段として色彩を赤・青・黒・白に限定し、トーンもなるべく均一にしている点だろうか。

また、色の滲みや広がりをコントロールしようとするのではなく、滲むも広がるも、水と絵の具の心次第。

「自分の作風は、水彩ととても相性が良いように思います」　そうスカビィは話してくれた。

Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。

スカビィ：絶えず変わるものなので、特別大きなことはなかったかなと。

常々「次は何か別の試みが出来ないか」と考えている為、スカビィの作品は一つの型に囚われることなく、進化し続けて来た。

数年前の作品を振り返ってみると、最近の作品とは全く印象が異なるそうだ。

仕上げた作品は、すべて過去のもの。

気持ちは常に前を向いているので、過去のスタイルに執着はまったくないのだそう。

今後は平面だけでなく、立体表現も視野に入れているのだとか。

創作は飽く迄も趣味の延長であるため、決して気負い過ぎることなく、「遊びを本気で」といううのがスカビィのモットーだ。

子供が遊びに熱中しているのと同じ感覚であるため、鑑賞者にも身構えずに楽しんでほしいと考えているとのこと。

取材の最後に、スカビィに次のような質問を投げかけてみた。

Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。

スカビィ：今まさにどう乗り越えようか考えています(笑)

（取材/執筆：大石）

スカビィの作品を心ゆくまで堪能できる4日間

ART INPUT2025を、どうかお見逃しなく！