- yuko Oishi
- 8月13日
- 読了時間: 6分
更新日:9月10日
脳内航海士 in ART INPUT 2025
会期:2025年9月11日(木)~9月14日(日)
会場:Gallery IYN
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脳内航海士がデジタルイラストを制作するのは、描画そのものが目的ではなく、自らの心の中に紡ぎ出された物語を具現化するためだ。
特定の登場人物に感情移入するのではなく、物語の全体を俯瞰する作者の立ち位置で描かれているからだろう、いずれの作品も少し離れた場所から撮影された映画の1シーンのようである。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
脳内航海士:すごく迷ったんですが、『singularity』でしょうか。初めてギャラリーIYNさんの展示にお声がけいただいたのを機に描いたイラストで、今でも気に入っています。
描いた時期でいうと記事に掲載して頂く作品の中では一番古いんですが、この作品を描き上げたことで自分が描きたいものの方向性が自分の中で見えてきた気がするし、代表作を「その人の作風を端的に示す作品」と捉えるのであればこれになると思います。
他の作品についても触れておくと、『水の都のシンデレラ』は、タイトルが最初に思い浮かび、最終的に描きたかったものがぴったりと嵌まった作品ですね。力作という意味ではこれになるでしょうか。
『白と黒の雪どけに』は、もともと同名のオリジナル小説の構想があって、そのキービジュアルというイメージで描いたものです。肝心の小説が書けていないので全体像は公開していなかったんですが、自作の小説がきっかけでイラストを描き始めた(詳しくは後述)身としてはそういう作品も一つ入れておいたほうがいいだろうということで、ここに挙げさせていただきました。小説が完成したらこれが代表作になるかもしれません。

物語を文字で綴るなら、その描写が幾ページにも及ぶところを、絵なら一枚に集約することが出来る。
文章が小回りのきく表現であるなら、イラスト表現はダイナミックかつインパクトのある表現だ。
物語の中の重要な要素をなるべく多く画面に取り入れたいが、それを自然な形に見せる構図を考え出すことに、脳内航海士は注力している。
たとえば「白と黒の雪どけに」では、どうしても廃墟のステンドグラスとグランドピアノ、それからスノードロップの花を画面に収める必要があった。
スノードロップは草丈が低く、ステンドグラスは高い位置にある。ピアノも大きさがあるので、画面にかなり奥行きを持たる必要があり、その距離感を効果的に見せるための人物の配置にも試行錯誤の末に定まったのだそう。
そうして描き込まれたモチーフたちが一体何を意味するのか、どんな物語が秘められているのか・・・是非そこに思いを馳せながら、じっくりご鑑賞いただきたい。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
脳内航海士:創作というと学生時代にサークルでラジオドラマを作っていたのが始まりになるでしょうか。ただ、当時はほとんどイラストは描いていませんでした(一応、小中学生の頃に漫画の絵を鉛筆でちょこちょこ模写したりしたことはありました)。
その後就職して、1年足らずで退職して、何かまた創作でもするかなと思ったんですが、ラジオドラマはスケジュールとか制作環境とかの都合で難しかったんですよね。じゃあ一人でできるものをいうことで小説を書いてみようと思い至り、その表紙や挿絵がほしかったので自分で描いてみた、というのがイラストを描き始めたきっかけです。
当時影響を受けていたのは小説家の三秋縋さんですね(絵師さんじゃなくてすみません)。この人の書く世界観や物の考え方は今でもすごく刺さります。
イラストに関してはpixivで毎日のように見てはいて、この人のイラスト素敵だなと思うことはあるんですが、特にこの作家さんが大好きというのはないかもしれないです。
イラストのアイデアは、その時その時で見ていた作品や、あるいは聴いていた楽曲などに影響されていると思います。

最近は小説を執筆する時間がなく、未完成のままの作品も多いが、「あの作品にこんな場面を取り入れたら面白そうだな」「こんな状況下なら、あの登場人物はこんな発言をするだろうな」と、脳内航海士は日常生活の中で意識するともなく物語を紡ぎ続けている。
そうして気が向いた時に、場面場面をイラストに描き起こしているのである。
「ART INPUT」展では、いったいどんな一場面たちが会場に並ぶのだろうか。
開幕を楽しみにお待ち頂きたい。
取材の最後に、脳内航海士に次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
脳内航海士:まず前提として、あとから振り返って「あのときは大変だったな」と思うことはあっても、「今めちゃくちゃ苦しいな」というのは考えないようにしています。
考えてしまうと、「自分はこんなに大変なのに」「なんで自分だけ報われないんだ」という思考に陥ってしまって、まわりの人に優しくなれなくなると思うからです。自分もほかの人からそういう態度をとられたら嫌ですし。
なので「つらいときはこうする」という明確な答えを持っているわけではありません。
そのうえで過去を振り返ってみて一つ言えるのは、感覚的な話にはなってしまうんですが、「こっちを選ぶと自分が自分でなくなってしまいそう」と思ったらそれは避けるようにしていた、ということです。
自分が思ってもいない言動を続けると心身ともに疲弊してしまうと思うんですが、自分の核みたいなものを守り続けていれば、たぶんいつかは自分を受け入れてくれる人や場所に行き着くはずなので。
(取材/執筆:大石)
脳内航海士の作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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