- yuko Oishi
- 4 日前
- 読了時間: 5分
戌井まと in ART INPUT 2025
会期:2025年5月29日(木)~6月1日(日)
会場:Gallery IYN
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戌井まと が最も多用する色である”青”は、海や空、そして宇宙を連想させる神秘的な色である。
手を伸ばしてみても届かない、だからこそより深く憧れを抱くような・・・そんな色であるのだという。
“綺麗だけど、どこか儚さがあるような雰囲気”を目指して、彼女はデジタルイラスト表現を探求してきた。
近頃特に意識しているのは彩色方法で、単色ではなく複数の色を組み合わせながら、鮮やかで深みのある色調を生み出せるような配色を試みているという。
他のクリエイターの作品を鑑賞する際も「ここで、こんな色を使うんだ」と学び取りながら、自身の作品に活かせるよう心掛けているそうだ。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
戌井まと:「星の海に沈む」という作品が代表作と呼ぶのにふさわしいと思っています。
海+星という私の好きなモチーフを織り込んだこと、こだわりを詰め込んだキャラクターデザイン、見た目の雰囲気などが特に私の作品らしい部分だと感じています。
描き上げたのは数年前になりますが、今でもとても気にいっている作品です。

星や海は今後も挑み続けたい特別なモチーフだが、それとは別に戌井には、これから描こうとしている新たな主題がある。
自身の心の奥に眠る思い出を掬い上げ、少しファンタジー要素も加えながら、あたたかな情景を描けたらと考えているらしい。
今年の秋にGallery IYNで開催される「若き詩人への手紙 MESSAGE展 FINAL」に向けて、企画の重要なテーマとなっているライナー・マリア・リルケの「若き詩人への手紙」を読んだことから、自分の辿って来た道を振り返って表現してみたいと思うに至ったそうだ。
絵を見てくれた人の心にも、きっと自分のように大事な思い出が眠っている事だろう。
そんな優しい記憶の扉を開く切っ掛けになるような作品を描けたら・・・そう考えて、作品を構想中だそうだ。
またリルケの書以外にも、とあるテレビ番組が、彼女に新たな方向性を示してくれたらしい。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
戌井まと:創作自体の方向性については、以前から誰かの心に寄り添えるような絵を描きたいとずっと考えていましたが、最近はその考えが少し変わってきました。誰かの気持ちのために絵を描くのも大事なことですが、まずは自分の気持ちを救うために絵を描くことも大切なのではないかと考えるようになりました。
考えが変わるきっかけになったのは、「THE FIRST」というアーティストのオーディション番組を見たからです。
音楽と絵という違いはありますが、感情を表現するアーティストという点では共通する部分もあり、自分の創作活動について見つめなおすきっかけとなりました。
今の作品の技法について一番影響を受けたのは、イラストレーターの酉野蛙さんです。暖かい絵柄でありながら儚い雰囲気のある独特の色遣いが好きです。
私は意識しないと彩度の低い色を選びがちなので、憧れのイラストレーターさんの色選びに近づけるように意識しています。

「THE FIRST」で戌井の心を強く引き付けたのは、一人の挑戦者の葛藤と成長の様子。
その挑戦者は、ダンスも歌も間違いなく実力があるのだが、自身の才を実感できずにいるために、順調に審査を通過しながらも、「自分がここに居ても良いのだろうか」という戸惑いがあった。
迷いと、躊躇いがあった。
しかし途中で、才能の有無の問題ではなく音楽に対する情熱があるからこそ此処に立っているのだと、己の心を再確認してからは一気に雰囲気が変化したのだという。
その姿に感動すると共に、戌井もまた自分の中で大切なもの、大切にすべきものを再確認したのである。
思いを新たに臨む「ART INPUT展」では、自らの創作の原点が小説執筆であったとうこともあり、戌井は“絵”と“文章”を組み合わせた展示をしてみたいと考えているらしい。
例えば、展示会場にいくつかQRコードを設置して自作の短編小説や詩へと誘導するなど、方法をあれこれ思案中であるそうだ。
取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
戌井まと:困難にぶつかったときには、悩みの原因になっているものが何なのか、明確に言葉で表現できるようになるまで考えてきました。
なんだかモヤモヤした時、人と比較して悲しい思いをした時などにどうしてそう思ったのかを突き詰めて考え尽くしていくようにしています。どうしてそのような感情になったのか、原因がはっきりしてくると、ただ不安な気持ちになるのではなくそれを乗り越えるための努力ができるようになるのでは、と考えています。
もちろん一人で考えていてもどうしようもない場合もあるので、その時は友人に考えを聞いてもらい、意見をもらうこともあります。いつも話を聞いてくれる友人にはとても感謝しています。
(取材/執筆:大石)
戌井まとの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
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