橋姫を訪ねて Go to 京都
top of page

こんにちは、IYNアートコミュニティ&サロン アート案内人の松澤です。


気が付けばもう6月。梅雨を飛び越して夏が来てしまったように感じるこの頃ですが、ギャラリーIYNでは見ればスーッと涼しくなるような、少し怖いテーマの展覧会が2日(木)から始まります。

その名も「幽冥 篝火にあらわれる橋姫」展。

橋の守り神であり、嫉妬深い鬼女……美しくも恐ろしい橋姫を描いた作品が勢ぞろいしますよ。





古来、「橋」は他国と自国をつなぐ架け橋であると同時に、外敵の侵入経路でした。侵入者を防ぐ守護神として祀られる橋姫の伝説は、全国各地に伝わっています。

中でも特に有名なのは、京都・宇治川に伝わる橋姫でしょうか。

昔々、夫が他の女のもとに通うのを妬んだ女性が、京都の貴船神社で「恋敵を呪い殺すために、私を鬼にしてください」と祈願したところ、「顔に朱に塗り、蝋燭を頭に頂いて21日間に宇治川に浸かるように」と告げられ、実行。女は鬼になりました。それが、宇治の橋姫です。

宇治橋






貴船神社は、貴船山と鞍馬山に挟まれた自然豊かなパワースポットであり、京都屈指の観光スポット。

川にせり出した桟敷で涼みながら食事を楽しむ川床は、夏の風物詩として親しまれています。

夏の京を楽しむなら、貴船ははずせないスポットですね!

さて、この貴船神社で鬼になるためのお告げを橋姫は受けるわけですが、彼女と同じように嫉妬に狂って神様にすがる女性はあまた居たらしく、貴船神社は呪詛の聖地(?)。多くの女性たちが、深夜に藁人形に釘を打ち付けて相手を呪う「丑の刻参り」を、この地で行ったそうですよ。

貴船神社



京都市堺町松原には鉄輪井戸という、貴船に丑の刻参りをした女性の伝説が残る井戸が現存しています。地下鉄五条駅から徒歩6分程でして、ここまで来たら鴨川を渡って「みなとや幽霊子育飴」まで足を伸ばすのがオススメ。

出産を間近に控えて亡くなった女性の幽霊が、墓の中で生まれた我が子を養うために、夜な夜な飴を買いに通ったという物語が伝わるお店です。怪談話ではありますが、母の愛を感じる優しい幽霊譚ですね。

ここの飴、とっても美味しいです!

素朴で飽きない味わい&すっきりした甘さなので、食欲低下気味の夏の糖分摂取に最適ですよ!

ギャラリーIYNで「幽冥 篝火にあらわれる橋姫」展を堪能した次の週末には、京都で橋姫ゆかりの地を巡るプチ旅行はいかがでしょうか♪


鉄輪井戸


みなとや幽霊子育飴

歴史の舞台・史跡を訪ねることで、創作の意欲が沸いたり、新しいイメージが浮かんでくることもあると思います。

画題を求めて歴史散策をしたり、イチオシの歴史スポットをみんなで紹介し合ったり、そんな企画もいつかIYNアートコミュニティ&サロンで行えたらなぁと考えております。


6月は西洋美術セミナー「知っておもろい、見て楽しい、あゝ麗しの西洋絵画」シリーズ、ヒップホッピー先生による漫画教室シリーズ、好きな本・映画・漫画をシェアする交流会を開催します。ご興味のある方は、ぜひご参加くださいませ。


IYNアートコミュニティー&サロンのWebページも、ぜひチェックしてくださいね。




bottom of page