- yuko Oishi
- 5月2日
- 読了時間: 4分
此糸つき in ART INPUT 2025
会期:2025年5月29日(木)~6月1日(日)
会場:Gallery IYN
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もし、華やかで優美なドレスを逞しい男性の体に纏わせてみたら、どんな風になるだろう。
そんなふとした思いつきから、“異性装”は此糸つき の創作の軸となり、性別を超越し、また固定観念を取り払い、ただ自身の美的感覚にのみ従うことで、実に独創的な人物画作品が生み出されている。
「このモチーフとこのモチーフを組み合わせたら面白そう」
その閃きからスタートし、またそのモチーフから連想される言葉をメモに書き連ねながら、彼女は作品のイメージを掘り下げていく。
例えば画面に花を取り入れるなら、その花の持つ雰囲気はどんなもの?その雰囲気が伝わる場面設定は?そこに描かれる人物像は?衣服のデザインは?・・・と、徐々に構想が膨らんで、定まっていくのである。
「兎に角綺麗なものが好きです」とのことで、自ずと此糸は花や星、月など、自然界の美を作品の一要素に選ぶことが多い。
また、叶わぬ恋など哀切な感情の中にも美を見い出し、画題に取り上げることも多いようだ。
Q.これまでの創作活動の中で、あなたの一番の代表作と思われる作品を教えて下さい。
また、何故その作品をお選びになりましたか。
此糸つき:儚恋ですね。好きなものと好きなものを混ぜた今のスタイルを確立させた絵です。7年くらい前の作品なんですが、自分の中でも、これを超えるものが、なかなか作れないところもあります。

「儚恋」では完成までの期限を定めずに、納得できる仕上がりになるまで只管に描き込みを続けた。
故に同じ密度の作品をもう一度となると、許される時間の兼ね合いもあり、なかなか難しい。
塗り重ねられたアクリル絵の具の重厚さも然りながら、作品の内容も物語性をしっかりと持たせることが出来たので、その点でも他の作品より抜きんでた出来栄えになっている。
いつかは超えなくてはならないハードルである「儚恋」を見る度に、此糸は「もっと作品の精度を上げたい」という気持ちが高まるそうだ。
その為にも、更に表現力を磨きたいと考えており、特に描画力の向上を目指しているという。
伝えたいテーマを、モチーフの構成だけで誤魔化すのではなく、描画力からも作品に説得力を持たせられるようになれれば・・・それが彼女の目標である。
Q.貴方の創作の方向性を決定づけた時期や出来事、また影響を受けたアーティストや作品などがあれば教えて下さい。
此糸つき:ある日ふと……と思いついたところありますが、もともとそういうフェチズムというものはあったのはあります。思い切って、そっちに舵を切ったといいますか。ゲームが好きなので、小林智美先生や小島文美先生等の影響はかなり強く受けてます。ミュシャも一時期小さな図録を持ち歩いては眺めたりしてました。

これからも異性装の男性を描き続けつつ、一般的に“普通”とされる格好の姿の作品も増やしたいと考えており、その他にも此糸の心の中には、これから描きたいアイディアがいっぱい詰まっている。
仰々しくなってしまうかと敬遠していたゴシックロリータファッションをはじめ、どんなモチーフにも貪欲に挑戦していきたいと、彼女は意気込みを聴かせてくれた。
また、アルフォンス・ミュシャのようなデザイン性の高い背景描写は苦手ながらも憧れてもいるので、そうした作風にもいずれは挑むことが出来たらと考えているそうだ。
ART INPUT展では、赤色と青色を基調にした作品ばかりを並べる予定であり、「目が痛くなりそうな雰囲気になりそうですけど、それも楽しんで頂ければ・・・」とのこと。
この二色が特に好きな色なので、描いている内に気が付いたら“赤くて、青い!”作品ばかりが仕上がってしまったのだとか。
取材の最後に、彼女に次のような質問を投げかけてみた。
Q.これまで創作において、人生において、苦しい状況に陥った際にどのようにして乗り越えてこられましたか。
此糸つき:大分昔の話なのですが、何を描いてもうまくいかないと感じていた時期があって、それで周りにアタリ散らしたりはしましたね。色々とありまして、「それでは駄目だ」となって、なるべく気にせず抑えて進むことにしました。お恥ずかしい話です。
(取材/執筆:大石)
此糸つきの作品を心ゆくまで堪能できる4日間
ART INPUT2025を、どうかお見逃しなく!
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