日々スマホを見つめて忘れた「奥行き」

最終更新: 2022年6月1日

大衆に近づいたインターネット文化

これまで大晦日といえば、紅白とガキ使を交互に見るのが我が家の恒例となっていましたが、今年はコロナの影響でガキ使が放送されなかったことも相まって、初めて最初から最後まで紅白を見っぱなしな年末でした。

しかし、蓋を開けてみると、今年の紅白の視聴率は過去最低を記録したとのこと。

今年の紅白出場歌手の発表があるたび、「今年の紅白はとんでもないことが起こるぞ…!」と思っていたのですが、なかなかうまく行かないものですね。

2021年に話題となった細田守監督の映画「竜とそばかすの姫」の主題歌を歌ったMillenium Parade×Belle(中村佳穂)や、2023年に解散することを発表したBiSH、

歌い手として若年層に絶大な人気を誇るまふまふ、など、まさしく若者をターゲットにした紅白だったと思います。この出場歌手の並びは、一昔前では考えられなかったのではないでしょうか?

特にまふまふの出場は、ボーカロイド文化が世間に認められていることを象徴する出来事だったように思います。

ネットの拡散力やいかに

まふまふといえば、「ボーカロイド 初音ミク」が歌った曲を歌う「歌い手」として、ネット上で活動をしています。最近では、自身で曲を作り歌手活動を行うなど、目覚ましい活躍をしています。このように、ネット上で活動している人が、活躍の幅を広げている例は数多くあります。

イラストレーターの方や、なにか創作されている方にとって、インターネット(特にSNS)は、なくてはならない存在なのではないでしょうか?

拡散力もあり、なにかしらの反応をもらうことができるSNSですが、フォロワーやいいねの数が増えていかない時期も、一度は体験しているのではないかなと思います。

日々インスタやツイッターなどを見ていると、「もっと多くの人に知ってほしい!」「もっと多くの人に見てもらうべきだ!」と思うような作品に、何度も巡り合います。もちろん発信の仕方や目標は人それぞれだとは思いますが、やはり良い作品は多くの人の目に留まって欲しいなと思います。

直接観て見えてくる奥行き

また、紅白ではもう一人藤井風がサプライズ登場し、話題になりました。彼は、Youtubeでピアノの弾き語り動画を出し、人気になったアーティストです。このように今や、インターネットこそが主戦場になっていると言っても過言ではないでしょう。

ギャラリーにお越しになるお客様とお話しすると、「この作家さんのSNSをフォローしてて、是非一度生で観てみたいと思って来ました」とおっしゃる方が大多数です。

インターネットが普及し、いろんなことがネット上でできる時代になりましたが、好きなものや特に「絵」「アクセサリー」などに関してはやはり「自分の目で直接鑑賞」したくなるのだと思います。

作家様から届く作品を日々鑑賞していると、「作品の奥行き」を感じることが多くあります。例えばアナログ作品だと、キャンバスの横まで丁寧に塗ってあったり、額の厚みが作品の立体感を演出していたり、デジタル作品の場合だと、スマホでは見れないような大きさで全体を見ることが出来たり、照明が作品に当たって良い雰囲気を醸し出していたり。。。

ネットの中でももちろん楽しめますが、まだ見ぬ素晴らしい作品にスポットを当てたい。その作品を間近で鑑賞していただき作家さんのこだわりや迫力に圧倒されて欲しいと思っています。

趣味で創作されている方の作品も、プロとして活躍されている方の作品も、

様々な作品を展示し、見る人自身の感性で、それぞれがそれぞれに対して価値を見出し、出会う。そんな場をこれからもっと多く作っていけたらと思います。

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